2015.06.04 | コラム

坐薬より飲み薬の方が早く効く!?

ドンペリドン、坐薬と内服薬の逆転劇!!
坐薬より飲み薬の方が早く効く!?の写真
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坐薬と飲み薬を比べた場合、どちらが早く効いてくるイメージがありますか? 大半の方が「坐薬の方が早く効く」と答えると思いますし、実際同じ成分の薬で比較すると"ほとんどの薬"で坐薬の方が早く効きます。しかし何事にも例外があり、薬の中でもいくつかは飲み薬の方が坐薬よりも早く効くものがあります。特にお子さんをお持ちの方は「吐き気止め」の坐薬に関して知っておくと便利です。

◆ 吐き気止め"ドンペリドン"の不思議(?)

冒頭で紹介したように、早く効くと思われている坐薬の中にも、実は飲み薬の方が効いてくるのが早い場合があります。

その代表例が吐き気止めの"ドンペリドン(主な商品名:ナウゼリン)"という薬です。 実際に効果が現れるまでの大体の時間を比較してみると、 飲み薬(錠剤、OD錠、ドライシロップ、細粒)が約30分くらいで効いてくるのに対し、 坐薬は効いてくるまでに約60~70分くらいかかるとされています。(個人差などによって多少の時間差は生じます)

これはどういうことなのでしょうか?

通常、坐薬は直腸から素早く血液中へ入り全身へ運ばれる為(局所的に効果が出る坐薬も存在します)、飲んでから胃を経由して腸で吸収されてから血液中へ運ばれる飲み薬よりも、一般的には早く効果が現れます。 しかしドンペリドンに関しては、飲み薬が口から胃へと移動した段階でも効果が出る等、いくつかの理由から飲み薬の方が早く効く現象が起きるのです。 詳しい理由はさておき、もし「ドンペリドンの坐薬は効いてくるまで1時間くらいはかかる」ということを知らないと、「坐薬だから早く効いてくれる」という思いから、まだ充分に薬の効果が出ていない内に食べ物や飲み物を摂らせてしまい結果、飲食物を吐き出してしまう・・・といったケースが出てくるかもしれません。坐薬なのに効果が出るのが遅いのか・・・とボヤキたくなるかもしれませんが、そうはいっても気持ち悪さで飲み薬が飲めなくては元も子もないので、やはり坐薬の存在は頼りになります。

今回ご紹介したドンペリドンの他にも効果が出てくるまで、比較的時間がかかる薬はいくつかあるので、坐薬が処方された場合はどのくらいで効果が出る薬なのかを聞いておくと良いでしょう。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。