デスモプレシン製剤(注射剤を除く)
腎臓(腎集合管)におけるバソプレシン(抗利尿ホルモン)の受容体に作用し、血管内への水分の再吸収を亢進させ尿崩症や夜尿症などの症状を改善する薬
デスモプレシン製剤(注射剤を除く)の解説
デスモプレシン製剤(注射剤を除く)の効果と作用機序
デスモプレシン製剤(注射剤を除く)の薬理作用
尿崩症は尿量を調節するホルモンであるバソプレシン(抗利尿ホルモン)の不足などにより大量の尿が排泄されてしまい、尿量の増加、口渇、多飲(水分をたくさん摂る)などがあらわれる。
バソプレシンは腎臓の集合管においてバソプレシン受容体(V2受容体)に作用し、水分を血管内へ吸収(再吸収)させる作用などをあらわす。
デスモプレシンはバソプレシンを元に造られた薬剤で、腎集合管におけるV2受容体刺激作用により血管内への水分の再吸収を亢進させることで尿量を減少させる作用などをあらわす。(なお、デスモプレシンはバソプレシンと比較して、抗利尿作用が持続するなどのメリットが考えられる)
本剤の中には点鼻(点鼻液、スプレー)製剤があるが、鼻炎などによる吸収率の変動や副作用で低ナトリウム血症などがあらわれる場合もある。そこで一般的に吸収率が安定し低ナトリウム血症への懸念が少ないOD錠(ミニリンメルトOD錠)が開発され、就寝前に水なしで服用できる口腔内崩壊錠の利点も合わせて特に夜尿症治療などにおいて有用とされている(なお、2019年にはミニリンメルトの低用量規格(OD錠25μg及び50μg)が承認され、こちらは主に夜間多尿による夜間頻尿の改善に用いられる)。
デスモプレシン製剤(注射剤を除く)の主な副作用や注意点
デスモプレシン製剤(注射剤を除く)の一般的な商品とその特徴
デスモプレシン
- 剤形に関して(注射剤を除く)
- 鼻腔内に点鼻するスプレー剤
ミニリンメルト
- OD錠であり、水なしで飲めることや嚥下能力の低下した患者などへのメリットが考えられる
- 服用方法に関して
- 食直後(通常、食後10分以内)の服用では本剤の吸収量が低下する可能性があるため、(一般的には)食直後の服用は避けることが望ましい
- 低用量規格(OD錠25μg及び50μg)の用途に関して
- 主に夜間多尿による夜間
頻尿 の改善に使われる
- 主に夜間多尿による夜間