2017.10.27 | ニュース

夜トイレに行くのはデスモプレシンで減らせるか?

文献の調査から

from The Cochrane database of systematic reviews

夜トイレに行くのはデスモプレシンで減らせるか?の写真

デスモプレシンは尿を減らす作用があります。これまでの研究で示された、デスモプレシンが夜間排尿の回数を減らす効果などのデータが調査されました。

夜間頻尿に対するデスモプレシン

アメリカの研究班が、成人男性の夜間頻尿排尿のため、トイレに何度も行かなければならない状態。原因は様々であるが、膀胱や尿道、神経に何らかの異常があることで起こるに対するデスモプレシンの効果について文献の調査を行い、『The Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告しました。

ここで言う夜間頻尿とは就寝してから排尿のために起きることを指します。日本では「尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症」などを効能・効果とするデスモプレシン製剤がありますが、夜間頻尿は夜尿症(おねしょ)のことではありません。

この調査は、それまでに行われている研究のデータを集めて評価し、統合したものです。子供についての研究は調査範囲から除きました。

 

他の薬と差がなく、併用でわずかに効果増

デスモプレシンとα遮断薬を比較すると、治療開始後3か月以内で夜間排尿の回数や生活の質(QOLquality of life の略であり、生活の質と訳される。命があることだけでなく、その質や中身を重要視した言葉)に差がないと見られました。

デスモプレシン・α遮断薬の両方を使う場合とα遮断薬単独を比べると、デスモプレシン・α遮断薬の両方を使ったほうがわずかに夜間排尿の回数が少なく、わずかに生活の質も良いと見られましたが、これらの差はあまり重要ではないと判断されました。

α遮断薬・デスモプレシンの組み合わせと、α遮断薬・抗コリン薬の組み合わせを比較すると、夜間排尿の回数に差がないと見られました。

デスモプレシンに重大な副作用はほとんどないと見られました。

研究班は「デスモプレシンは夜間排尿の回数を減らすかもしれない」としたうえで、「その効果を行動変化と比較した証拠は見つからなかった」と述べています。

 

夜間頻尿にデスモプレシンは効く?

夜間頻尿に対するデスモプレシンの効果の調査報告を紹介しました。日本では2017年10月時点でデスモプレシンに夜間頻尿の効能・効果が承認されていません。このため保険診療として使用することはできません。

海外では夜間頻尿に対してデスモプレシンが使われている国もあります。その場合には、効果を考えるためにこうした調査報告が参考にできるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Desmopressin for treating nocturia in men.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Oct 21. [Epub ahead of print]

[PMID: 29055129]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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