かいりせいしょうがい、てんかんせいしょうがい
解離性障害、転換性障害
自分が自分であるという感覚が失われた状態。従来ヒステリーと呼ばれたものや、ストレスや心的外傷とも関係する
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最終更新: 2020.05.15
解離性障害、転換性障害の基礎知識
POINT 解離性障害、転換性障害とは
自分が自分であるという感覚が失われて、「精神面に症状が現れるものを解離性障害」、「身体面に症状が現れるものを転換性障害」と言います。解離性障害では記憶がなくなったり(解離性健忘)、あたかも自分を外から眺めているような感覚(離人症)などが現れます。一方、転換精障害では治癒した怪我の痛みが長引いたり、身体が麻痺するなどの症状が現れます。どちらも他に病気がないことを確認してからでないと診断できないので、脳腫瘍やてんかん、全身性エリテマトーデスなどの病気がないかが検査で調べられます。解離性障害、転換性障害に確立された治療はありませんが、家族や周囲の人は、病気を理解して、患者さんが安心して過ごせる環境の整備をしてください。解離性障害、転換性障害が心配な人やその家族は精神科や心療内科を受診してください。
解離性障害、転換性障害について
- 主に精神面に症状が現れる場合を解離性障害、身体面に症状が現れる場合を転換性障害と呼ぶ
- 解離性障害:自分が自分であるという感覚が失われ、生活の支障を来たしてしまう
- 本来1つにまとまっているはずの記憶や意識、感情やアイデンティティといった感覚をまとめる能力が一時的に失われてしまうことにより、社会的生活を営むことが困難となってしまう
- 転換性障害:心理的葛藤が身体症状に転換されるもの
- 身体に目に見える異常がないにもかかわらず、身体の機能に異常を来す
- 身体的な異常が引き金になることもある(怪我は
治癒 しているにも関わらず痛みが続くなど)
- 以下のような極度のストレスや心的外傷(トラウマ)が引き金となって
発症 することがある- 子どもの頃に受けた虐待や不当な扱い
- 衝撃的な出来事(事故、事件など)の体験や目撃
- 耐えがたい心理的葛藤から、受け入れがたい情報や感情を意識から切り離さざるをえなくなった体験
- 子どもでも成人でも、男女ともに起こる可能性がある
- 明らかな原因は不明
- 従来ヒステリーと言われてきた状態は解離性障害と重なる
解離性障害、転換性障害の症状
- 様々なきっかけで下記のような症状が組み合わされて起こる
- 子どもでは親や教師からの虐待や心的外傷が関係することもある
- 解離性健忘
- ある出来事や特定の時期の記憶がなくなる
- 解離性遁走(とんそう)
- 旅行や放浪に出て行方をくらまし、健忘をともなう場合もある
- 離人症
- あたかも自分を外から眺めているように感じられる
解離性同一性障害 - 複数の人格のように見える状態が交代で現れる
- 文化によっては憑依(霊がとりついている)と解釈される
- 解離性健忘をともなう
- 症状が苦痛や生活の妨げになっている場合を病的と見る
- 小児では遅刻を繰り返す、成績が落ちる、登校拒否など