深部静脈血栓症(DVT)の症状について: 脚の痛みや腫れ、変色など
深部静脈血栓症(DVT)は、主にふくらはぎや太ももの筋肉よりも深いところを走る血管に血の塊(
1. 深部静脈血栓症(DVT)の主な症状
DVTは多くのケースで片側の脚のみに
【DVTの主な症状】
- 脚のむくみ
- 脚の痛み
- 皮膚が赤黒く変色する
- こむら返り
- 脚が重だるい
- 脚の皮膚の痒み など
主に上記のような症状がみられますが、全ての症状が揃うことは多くありません。また、膝よりも下にできたDVT(末梢型DVT)では症状が軽いことも多く、全くの無症状である場合もしばしばあります。逆に膝よりも上に血栓があるDVT(中枢型DVT)では、末梢型DVTよりも症状が目立ちやすいのが特徴です。
上記のような症状があり、DVTが心配な人や治療したい人は循環器内科を受診してください。救急科、一般内科、血管外科などで対応できることもあります。
なお、DVTの治療後にもDVTの症状に似たものが残ってしまうことがあり、血栓後症候群と呼ばれています。これは中枢型DVTの場合に起こりやすいとされています。血栓後症候群をできる限り予防するためには、DVTを発症後早めに治療することが重要です。
2. 深部静脈血栓症(DVT)に関連した危険な症状
DVTにおいて心配されるのは、脚でできた血栓が血液の流れに乗って心臓・肺に達して詰まってしまうことです。この状態を「肺血栓
【肺塞栓症の主な症状】
- 胸の痛み
- めまい、
失神 - 呼吸が苦しい
血痰 、喀血 - 冷汗
動悸 など
また、肺塞栓症と比べればかなり珍しいですが、血栓の影響で脚の血流が途絶えてしまうことがあります。脚の血管には迂回路が発達しているので、一つの静脈に血栓が詰まっても簡単に血流が途絶えてしまうことはありません。しかし、血流が途絶えてしまうと脚が白く、または青紫色(
肺塞栓症や有痛性青股腫でみられるような症状があれば、直ちに循環器内科を受診してください。夜間や休日には救急科での対応となることも多いです。また肺塞栓症や有痛性青股腫が考えられる強い症状がある場合には、救急車での受診を検討してください。
参考文献
肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)
(2020.5.20閲覧)