しあんちゅうどく(せいさんちゅうどく)
シアン中毒(青酸中毒)
「青酸カリウム」などで有名なシアン化合物による中毒。よく使われるため事故も多い
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最終更新: 2020.06.19
シアン中毒(青酸中毒)の基礎知識
POINT シアン中毒(青酸中毒)とは
シアン化合物あるいは青酸化合物と呼ばれる化合物を飲み込む、吸い込む、触れることなどによって起こる中毒です。症状は数分以内に急速にあらわれるため、迅速な対応が必要です。シアン化合物は金属加工、試薬、薬品合成など様々な分野で現在も使用されています。 シアン中毒の症状は、軽症の場合には吐き気、めまい、頭痛、動悸、呼吸が荒くなる、顔が赤くなる、などが見られます。重症になると、息苦しい、意識が遠のく、痙攣するなどして亡くなるケースもあります。診断は採血検査や尿検査などから行いますが、吐息からアーモンド臭がすることも診断の手掛かりとなりえます。 治療としては亜硝酸塩などの解毒剤を使用したり、症状に応じた治療を行ったりします。シアン中毒が心配な方や治療したい方は救急科を速やかに受診してください。
シアン中毒(青酸中毒)について
- シアン化合物(青酸化合物)は工業などで現在も広く使われている
- 口、皮膚、肺などを通してシアン化合物は吸収され、人間の細胞が活動することを妨害する
- 吸収後、遅くても数分以内に症状が出現する
- ミステリーなどで毒殺にしばしば使用されているが、空気中で保管すると毒性はなくなり、風味が強烈なので、気づかないで口から摂取することは基本的に出来ない
シアン中毒(青酸中毒)の症状
- 症状は摂取後数秒で出現し、死亡する場合には数分単位のことが多い
- 軽度の症状
- 吐き気
- めまい
- 頭痛
動悸 - 顔が赤くなる
- 呼吸が荒くなる
- 重度の症状
- 息苦しい
- 意識がなくなる
- 痙攣(けいれん)する など
シアン中毒(青酸中毒)の検査・診断
- 呼気のアーモンド臭が参考になることがある
- 血中シアン濃度測定
- 尿中チオシアン濃度測定
シアン中毒(青酸中毒)の治療法
- 亜硝酸薬、チオ硫酸ナトリウムなど解毒剤を使用
- 酸素投与
- 症状に応じた治療