しんせいじこうびりるびんけっしょう(しんせいじおうだん)
新生児高ビリルビン血症(新生児黄疸)
生まれて数日後にビリルビンが上昇し黄疸が起こった状態。ある程度は自然の経過であり病気ではないが、重症の場合は治療が必要
10人の医師がチェック 48回の改訂 最終更新: 2017.12.06

新生児高ビリルビン血症(新生児黄疸)の基礎知識

新生児高ビリルビン血症(新生児黄疸)について

  • ・基礎説明
  • 新生児でビリルビンが血液中に増加し、皮膚などが黄色くなる状態
  • 新生児黄疸自体は自然の経過であり、病気ではない
    • 出生後から徐々にビリルビンの値が上昇し、2-3日目頃から皮膚が黄色くなる
    • 生後4-5日頃にピークを迎えて、7-10日頃には自然に改善する
  • ビリルビンの値が基準を超えて高い場合や、生後24時間以内の黄疸、長引く黄疸は病的黄疸となる
    • 治療や原因検索が必要
    • 病的黄疸の原因としては血液型不適合、多血症、出血、肝炎、代謝性疾患、先天性胆道閉鎖症感染症などが挙げられる
  • 新生児黄疸の機序
    • ビリルビンとは、赤血球が壊れる時にできる物質
    • 正常でも血液中に存在する
    • ビリルビンは肝臓に運ばれ処理され、尿や便の中に排泄される
    • 新生児では下記の理由でビリルビンの処理が追いつかず、黄疸となる
      ・生後、赤血球は一気に壊れて新しく作り替えられていく
      ・新生児の肝臓の働きは未熟
  • 黄疸の程度が強くビリルビンが脳に蓄積すると、核黄疸と呼ばれる状態になる
  • 母乳栄養の赤ちゃんでは遷延性黄疸になりやすい(母乳性黄疸)

新生児高ビリルビン血症(新生児黄疸)の症状

  • 体中が黄色っぽくなる
    • 顔面を含めて全身に広がる
    • 白目が黄色くなる
  • 重症化すると核黄疸発症する
    • 一度発症すると治療は難しいため、予防が重要

新生児高ビリルビン血症(新生児黄疸)の検査・診断

  • 定期的に血液中のビリルビンの量を測定する
    • 簡易的に皮膚にセンサーを当てて、血液中のビリルビンの量を予測する方法もあるが、あくまで簡易の方法なので、正確な判断には血液検査が必要
    • 赤血球の量や血液型、肝機能などを調べることもある
  • 聴性脳幹反応(ABR):早期に脳への影響を知ることができると言われている
  • 超音波検査:頭やお腹の中に出血がないかなどを確認することもある

新生児高ビリルビン血症(新生児黄疸)の治療法

  • 核黄疸を避けることが最も重要
    • 光線療法
      ・青色や緑色の光をあてる
      ビリルビンを分解し、水に溶けやすい形に変えることで体の外に出しやすくなる
      ・副作用として皮膚の色素沈着があるが、自然に改善する
      ・保育器の中で光を上から当てる方法とシート状の光源を背中の下に敷く方法がある
      ・一般的に前者の方が効果は高い(光を当てられる範囲が広いため)
      ・上から当てる場合には目に影響が出ないよう、目隠しをする
      ・光線療法中は皮膚から水分が蒸散しやすくなるため、水分を補うために点滴を同時に行うことが多い
      ・1回につき約24時間光をあてる(ビリルビンの下がりが悪い場合にはさらに24時間追加する)
      ・光を当て終えると再度ビリルビンが上昇することがあるため、24時間後にビリルビンの値をもう一度確認する
    • 交換輸血
      ・光線療法で改善しない重症の場合に行う
      ・特にRh型血液型不適合が原因となっている場合に重要
       ・母親の血液型がRh(-)、子どもの血液型がRh(+)のとき(多くは2回目以降の妊娠で問題となる)
       ・1回目の妊娠(もしくは輸血など)で母親が子どもの赤血球を攻撃する抗体を作ってしまい、子どもの赤血球が次々に壊されていく
      ・手足や臍の緒の血管から血液を取り出し、同じ量の血液(輸血製剤)を新たに入れる
      ・血液の交換を終えた時点で血液の中のビリルビンは再度増加していくため、何度か繰り返すこともある
  • 母乳性黄疸の場合は、生後2か月頃には自然に改善することがほとんど
    • 程度が強くなければ母乳は続けて良い
    • 母乳性黄疸のみで核黄疸になることはない
    • 極端にビリルビンの値が上昇した場合には、母乳を中止することもある
  • ビリルビンは尿や便から体の外に出るため、母乳やミルクを十分に飲んで十分に排泄することが重要

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