ちょうかんまくじょうみゃくけっせんしょう
腸間膜静脈血栓症
腸管から肝臓に向けて流れる腸間膜静脈に血栓が詰まり、腸管が壊死したり肝機能異常や門脈圧亢進が起こる病気
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最終更新: 2023.07.29
腸間膜静脈血栓症の基礎知識
POINT 腸間膜静脈血栓症とは
腸間膜静脈は腸の間を流れる静脈です。腸間膜静脈血栓症は腸間膜静脈に血栓(血液の塊)ができる病気です。腸間膜静脈の中に血栓ができると腸がダメージを受け、重症化すると腸に穴があき(腸管穿孔)、その後腹膜炎という重篤な状態になります。突然起こる腹痛や吐き気、嘔吐、腹部膨満感などが主な症状です。血液が固まりやすくなっている状態の人(下記の腸間膜血栓症についてを参照)や門脈(肝臓に流れ込む血管)の圧が高くなっている人に起こりやすいとされています。腸管穿孔が起こっている人では、手術で穿孔した部分の腸を切除して、つなぎ直す必要があります。腸間膜静脈血栓症は急性腹症(急に腹痛が現れること)の原因の1つであり、速やかに診断や治療が必要な病気です。突然、腹痛や吐き気などを自覚した場合には、救急科や消化器外科・内科を受診してください。
腸間膜静脈血栓症について
腸間膜静脈血栓症の症状
- 突然
発症 するものから、数週間かけて発症するタイプまでさまざま - 主な
症状 - 腹痛
- 吐き気、嘔吐
腹部膨満 - 食欲低下
- 下痢
- 病状が進行すると、腸管が
壊死 して敗血症性ショックとなったり肝機能障害 が進んで命に関わる
腸間膜静脈血栓症の検査・診断
- 初期には特徴的な
症状 や検査結果が現れないので診断が難しい - 主な検査
- 血液検査
- 全身の
炎症 の程度や血栓 による影響を見る
- 全身の
腹部造影CT検査 - 血管の詰まりそのものを確認する、最も重要な検査
- 血液検査
腸間膜静脈血栓症の治療法
- 治療の中心は、手術療法と抗凝固療法に大きく分かれる
- 手術
- 既に腸管が
壊死 している場合 - 腹膜炎が起こっている場合
- 既に腸管が
- 抗凝固療法
- 手術をせずに様子を見る場合
血栓 がそれ以上大きくならないようにするため
- 予想される経過
- 早期診断、治療は難しい場合が多い
- 広範囲の腸管壊死がある場合の死亡率は高い
- 再発率が高いので経過は不良とされている