とくはつせいもんみゃくあつこうしんしょう

特発性門脈圧亢進症

肝臓や門脈に特別な異常や原因が存在しないにもかかわらず、門脈の圧が上昇した状態

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2人の医師がチェック 26回の改訂 最終更新: 2017.05.16

特発性門脈圧亢進症の基礎知識

特発性門脈圧亢進症について

  • 肝臓や門脈に特別な異常や原因が存在しないにもかかわらず、門脈の圧が上昇した状態
    • 食道静脈瘤の原因となったり、脾臓老化した血球を最終的に処理する働きや、免疫細胞(白血球)を成長させる働きをもつ臓器腫大体の組織の一部が局所的に大きくなること。血流の増加や、含まれる水分の増加、腫瘍などによって生じる貧血などの症状が出たりする
  • 主な原因
    • 原因は明らかになっていない
    • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患の異常を原因とする説もある
  • 頻度
    • 100万人当たり7.3人
    • 女性に多い(男性の3倍)
    • 40-50歳代に多い
  • 以下に挙げたような通常の門脈圧を上昇させるような原因を除外する
    • 肝硬変
    • 肝外門脈閉塞症
    • 肝静脈閉塞症
    • 血液疾患
    • 寄生虫症
    • 肉芽腫体の内部で長期的に炎症が起こり、そこに免疫細胞が集まってできたしこりのこと性肝疾患
    • 先天性生まれつき、または生まれた時から起きていること。「後天性(後天的)」の対義語肝線維症   など

特発性門脈圧亢進症の症状

  • 主な症状
    • 脾臓老化した血球を最終的に処理する働きや、免疫細胞(白血球)を成長させる働きをもつ臓器が大きくなる
    • 腹水お腹の中に水がたまってくる現象。肝硬変や低栄養などが原因で起こりやすいが溜まる
    • 食道静脈瘤による吐血食道や胃、十二指腸からの出血が、口から出てくること。肺や気管支からの出血である「喀血」とは区別される
      ・吐血
    • 貧血の症状
      動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる
      ・息切れ

特発性門脈圧亢進症の検査・診断

  • 血液検査
  • 画像検査
    • 腹部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、腹部の状態を調べる検査
    • 腹部CT検査X線(放射線)を用いて腹部の状態を調べる検査。肝臓や腸などの内蔵から骨や筋肉まで、様々な組織の状態を確認することができる

特発性門脈圧亢進症の治療法

  • 門脈圧亢進による食道静脈瘤や、脾機能亢進脾臓のはたらきで、血液中の赤血球、白血球や血小板が異常に速くなくなってしまう状態症に伴う貧血の治療を行う
    • 静脈瘤破裂による出血に対して
      ・バルーンタンポナーデ法:静脈瘤を圧迫して止血する
      上部消化管内視鏡口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる:静脈を結んだり、薬剤で固めたりして出血を止める
    • 脾機能亢進に対して
      ・部分脾動脈塞栓血液中を流された血栓などの異物が、細い場所で血管に詰まった状態。その先へ血流が流れにくくなってしまう術:脾臓老化した血球を最終的に処理する働きや、免疫細胞(白血球)を成長させる働きをもつ臓器の動脈を詰めてしまい、流れなくする
      ・脾臓摘出術:脾臓そのものを取り去ってしまう
  • 予後病気の長期的な経過や、回復の見込みは良好であり、静脈瘤出血が起こらないようにコントロールされるなら、肝がんの発生や肝不全による死亡はほとんどない

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