らんげるはんすさいぼうそしききゅうしょう
ランゲルハンス細胞組織球症
皮膚にあるランゲルハンス細胞と呼ばれる細胞が異常に増殖してしまう病気
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最終更新: 2017.12.06
ランゲルハンス細胞組織球症の基礎知識
POINT ランゲルハンス細胞組織球症とは
ランゲルハンス細胞組織球症は、免疫を担当する樹状細胞の一種であるランゲルハンス細胞が異常に増殖する病気です。異常に増殖したランゲルハンス細胞は様々な臓器に影響を及ぼします。主な症状は咳・呼吸困難・胸痛・骨の痛み・湿疹・リンパ節の腫れ・黄疸などになります。症状や画像検査などからランゲルハンス細胞組織球症を疑い、病変部位の一部を採取して顕微鏡で調べることで確定診断します。症状が軽いうちは特に治療を行わずに経過観察しますが、症状が強くなった場合はステロイドや免疫抑制薬を使用します。喫煙者の場合には禁煙が必須となります。ランゲルハンス細胞組織球症が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、小児科を受診して下さい。
ランゲルハンス細胞組織球症について
- 皮膚にある
免疫 細胞である樹状細胞の一種:ランゲルハンス細胞が異常に増殖してしまう病気- ランゲルハンス細胞は、取り込んだ異物の情報を他の免疫系の細胞に伝える役割がある
- 膵臓にあるランゲルハンス島とは別物
- ランゲルハンス細胞が異常に増殖する場所は皮膚に限らず、肺や骨、肝臓、
脾臓 、下垂体 などで見られやすい
- 明らかな原因は不明だが、喫煙との関連は深いと考えられている
- 日本には、100人もいないまれな病気であるという報告がある
- 様々な臓器(骨、皮膚、肺、耳、
リンパ節 、肝臓、脾臓、下垂体など)に影響が出る- 単一臓器にのみ影響の出るパターンと複数の臓器に影響の出るパターンがある
- 肺に障害の出る頻度が高いとされている
- 小児慢性特定疾患に指定されており、申請を行えば症状の進行具合によって医療費の補助を受けることができる
ランゲルハンス細胞組織球症の症状
ランゲルハンス細胞組織球症の検査・診断
- 画像検査
レントゲン (X線 )検査、CT 検査、MRI 検査などで病変 のある部位や、他の病気でないかなどを推測する
生検 - 皮膚、肺、骨などの病変がある部位を採取して顕微鏡で見ることで診断を確定する
ランゲルハンス細胞組織球症の治療法
- 主な治療法
- 軽症では自然に治ることもあり、その場合は治療を必要としない
ステロイド薬 免疫 抑制剤(メトトレキサートやシクロホスファミドなど)化学療法 (ビンクリスチンなど)
- 症状の悪化と改善を繰り返しながらも治る場合が多い
- 2歳以下で様々な場所に症状がみられた場合、治る可能性は低くなる
- 具体的な治療法
- 1ヶ所の骨に
病変 が出た場合- 手や足の骨の場合は治療しないで自然によくなることも多い。治療する場合は、悪い部分を削ったり
ステロイド を注入したりする - 頭や顔の骨の場合には、化学療法が行われることがある(治療しないと脳に症状が出る可能性がある)
- 手や足の骨の場合は治療しないで自然によくなることも多い。治療する場合は、悪い部分を削ったり
- 複数箇所の骨に病変がある場合
- 化学療法が行われる
- 皮膚に病変がある場合
- ステロイドの塗り薬で治療して、悪化しないかを注意深く見ていく
- 症状の強い場合は化学療法を行う
- 肺に病変がある場合
- 子どもの肺は進行的に破壊されることが多いので、化学療法を行う
- 大人の場合は禁煙するだけでよくなることがある。徐々に息苦しさが進行する場合は、ステロイドを用いて治療する
- 複数の臓器に病変がある場合
- ステロイドと化学療法の療法を行う
- 1ヶ所の骨に
- 肝臓または
脾臓 、骨髄 に影響のある場合は病気の経過があまり良くないことが分かっている