おすぐっどしゅらったーびょう
オスグッド・シュラッター病
膝の下にあるすねの骨のでっぱり(脛骨結節)の突出と、同部位の痛みが起こる成長期の病気
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最終更新: 2022.03.11
オスグッド・シュラッター病の基礎知識
POINT オスグッド・シュラッター病とは
膝の下に存在する脛骨結節(膝の皿の下の骨)が徐々に突出し、同部位の痛みが生じる成長期の病気です。発育期のスポーツ少年に起こりやすいのが特徴です。症状としては、ジャンプ、ダッシュ、キックなどの動作時に脛骨結節周囲に痛みが出ます。片側の膝に症状が現れることが多いのですが、両側に起こることもあります。痛みはしつこく続くことが多いですが、一般的には成長して膝の骨や筋肉が発達してくると自然に治ります。治療としては安静が最も重要です。その他では、アイシングやリハビリテーション、湿布、飲み薬、サポーターの使用、ストレッチなども行われます。まれに膝の手術をすることもあります。オスグッド・シュラッター病が心配な方や治療したい方は整形外科を受診してください。
オスグッド・シュラッター病について
- 膝の下にある、すねの骨のでっぱり(脛骨結節)の突出と、同部位の痛みが起こる病気
- 10-16歳くらいの成長期の子ども(特に男児)に多くみられる
- 特にスポーツ活動をしている子どもに起きやすい
- 病気が起こるメカニズム
- 小児の脛骨結節は
軟骨 で構成されており、外からの力に弱い - 脛骨結節には膝蓋腱という腱が付着しているが、激しい運動をすると付着部である脛骨結節が引っ張られて軟骨の一部が剥がれたりすることで起こる
- 小児の脛骨結節は
オスグッド・シュラッター病の症状
- 典型的な症状
- 脛骨結節の腫れと強い圧痛
- 動いた時の脛骨結節の痛み
- 症状の特徴
- 痛みは動くと悪化し、安静にすると和らぐ
- 片側のみの
発症 が多い(20-30%程度で両側に起こると言われている)
オスグッド・シュラッター病の検査・診断
- エピソードと症状だけで概ね診断可能
レントゲン 検査で確定診断するMRI 検査などで詳しい評価を行う場合もある- レントゲンでは骨の観察、MRI検査では骨に加えて筋肉や
靭帯 も観察できる
- レントゲンでは骨の観察、MRI検査では骨に加えて筋肉や
オスグッド・シュラッター病の治療法
保存的治療 が原則- 運動後に痛みが出る場合は、運動前のストレッチやウォーミングアップ、運動後のアイシングやストレッチを徹底する
- 特に太ももの前の筋肉のストレッチが大事
- 運動時に強い痛みが出る場合は、運動を中止するか、活動量を落とすことが必要
- ひざ下に巻くバンド(オスグッドバンド)などサポーターを装着することもある
- 痛みはしつこく続き、運動を休まないと十分に治らないことも多い
- 痛みに応じて痛み止め(
NSAIDs など)を使用する(貼付薬 、外用液、内服など) - はがれた骨の一部が残ってしまうことで、遺残性オスグッド・シュラッター病となって、症状が慢性化することがあるが、その場合は骨片を取り除く手術をすることがある