へんけいせいあしかんせつしょう
変形性足関節症
足首の関節の軟骨がすり減ることで、痛みや骨の変形が起こった状態
4人の医師がチェック 16回の改訂 最終更新: 2022.03.11

変形性足関節症の基礎知識

POINT 変形性足関節症とは

足首の関節の軟骨がすり減ることによって痛みや骨の変形が起こった状態です。怪我や関節炎、加齢などが原因になることが多く、ほとどは足首の内側で起こります。変形性足関節症になると、運動時に足首に痛みを感じたり、変形が進むと足首が曲がりにくくなります。軽症の場合は足底版やサポーターを使った保存的な治療を行い、重症の場合は手術によって関節を人工物に置き換えたりします。変形性足関節症が心配な人は整形外科を受診してください。

変形性足関節症について

  • 足首の関節の軟骨がすり減ることで、痛みや骨の変形が起こった状態
    • 怪我や炎症(関節炎)、加齢などが原因となるが、原因不明の場合もある
  • 多くの場合、足首の内側で起こる
  • 変形性膝関節症変形性股関節症に比べ頻度は低い

変形性足関節症の症状

  • 歩いた時など運動により足首の痛みが起こる
    • 痛みが強くなると、歩く事が難しくなる
  • 骨の変形により、足首の曲がりが悪くなる

変形性足関節症の検査・診断

  • レントゲン検査
    • 関節の隙間が狭くなっていないか、骨の変形がないか、などを確認する

変形性足関節症の治療法

  • まずは保存治療を行うが、必要であれば手術も検討する
  • 保存治療
    • 変形が軽度であれば、足底板が効果的
    • その他痛みに対しては痛み止めと適宜使用する
    • サポーターなどの足関節を固定する器具を用いることもある
  • 手術治療
    • 骨、軟骨靭帯などの様子によって以下のような手術法から適切なものを選択する
      • 靭帯再建術:関節軟骨がまだ残っている場合に行われることが多い
      • 骨切り術:脛の骨の一部を切り、間に骨を移植する
      • 足関節固定術:変形が強い場合、足首の関節を手術で固定する
      • 人工足関節置換術:足首の関節を、人工のものに置き換える

変形性足関節症の経過と病院探しのポイント

変形性足関節症が心配な方

変形性足関節症は、足首の関節がすり減って慢性的な痛みが続く疾患です。加齢とともに進行することが多いですが、若い方でもケガや炎症をきっかけに発症することがあります。ある日突然痛みが生じるというよりも、最初は軽い痛みや動き初めのみに痛みが出現していたのが、月単位から年単位で徐々に痛みが強く、また痛みのある時間が長くなってきます。

長く続く足首の痛みが変形性足関節症ではないかとご心配の方は、まずは整形外科のクリニックを受診されることをお勧めします。変形性足関節症の診断のためには、診察とレントゲン撮影を行います。必要に応じて関節穿刺やMRIも行われますが、MRIは最初から必須となる検査ではありませんので、初めに受診する医療機関としては総合病院ではなくお近くのクリニックが適切でしょう。

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変形性足関節症でお困りの方

変形性足関節症の場合、手術をするかどうかが大きな治療の分かれ目になります。骨の変形があまり進行しておらず痛みがあっても日常生活が送れるような場合には、痛み止めや関節への注射で炎症を押さえたり、サポーターを装着するなどの対応を行います。

手術を行う場合には、骨の角度を変えて体重のかかり方を改善させる骨切り術、膝の骨を人工関節に置き換える人工関節置換術、足関節の動きを制限することで痛みを改善させる足関節固定術などがあります。重症度と年齢、そして変形のしかたによってどの手術が適しているかが決まってきます。

手術は整形外科で行われます。手術については、年間の手術件数が多い病院ほど良いというわけではありませんが、同じ地域の中であれば少なすぎないところの中から探すというのも一つの考え方かもしれません。

手術を行わない場合や、手術を行ったとしてもその後にはリハビリテーションを行います。足関節周囲の筋肉量を増やしたり、関節の動く範囲を広げたりすることで負担を減らすことができるためです。リハビリの専門家である理学療法士と連携しながら進めていくことになりますので、患者さん一人あたりのスタッフ数や、リハビリ設備(リハビリ室や器具)の充実度といったところも病院を探す際に参考になるところです。

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