そういえん
爪囲炎
爪の周りの皮膚の傷から感染を起こし、炎症が生じた状態
4人の医師がチェック 55回の改訂 最終更新: 2022.03.30

爪囲炎の基礎知識

POINT 爪囲炎とは

爪の周りの炎症のことです。主に皮膚の傷から細菌が侵入することが原因です。「ふか爪」や「まき爪」、「爪噛み」などの爪にまつわるトラブルにともなうことが多いです。爪の周りの皮膚の発赤や腫れ、痛みが主な症状です。ひどくなると膿がたまります。問診と診察から診断が行われ、症状が重いときには抗菌薬によって治療されます。爪周囲炎は自然に治ることもありますが、長引くときには皮膚科や内科、感染症内科、外科を受診してください。

爪囲炎について

  • 爪の周りの皮膚の傷から感染を起こし、炎症が生じた状態
    • 傷ができる原因
  • 原因となる菌
    • 黄色ブドウ球菌
    • 大腸菌
    • 緑膿菌
    • 真菌(多くはカンジダ)   など

爪囲炎の症状

  • 主な症状は、爪の周囲の皮膚の発赤腫脹、痛み
  • うみがたまって疱になることがある
  • 爪がはがれる場合もある

爪囲炎の検査・診断

  • 問診と診察から診断される
  • 細菌培養検査が行われる場合もある

爪囲炎の治療法

  • 抗菌薬の内服
  • うみが溜まっている場合は、針を刺すなどして排する

爪囲炎の経過と病院探しのポイント

爪囲炎が心配な方

爪囲炎は爪周り生じる感染症の一つで、指先に菌が入り込んで炎症を引き起こした状態です。原因となる菌は珍しいものではなく、普段から皮膚に存在している菌であるケースが大半です。普段は悪さをせずにただ住み着いているだけの菌が、ふかづめや指先の傷をきっかけに炎症を引き起こして爪囲炎に至ります。

爪囲炎の診断は特別な検査を行うことなく、経過と診察結果から診断します。爪周りが赤く腫れている場合など、ご自身が爪囲炎でないかと心配になった時には、まずお近くの皮膚科クリニックを受診することをお勧めします。爪囲炎はクリニックでも大病院でも、検査の精度や治療方針には差が出ない病気の一つです。症状が辛い中、大病院で長時間待つよりは、クリニックで素早く診断をつけてもらうというのも一つの選択肢です。

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爪囲炎でお困りの方

爪囲炎の治療は抗生物質(抗菌薬)の軟膏や内服薬が中心となります。軽いものであれば薬を使用せずとも清潔にしているだけで自然と治ることもありますが、ある程度の大きさになってしまうと、切開をして中の膿を出してしまう治療を行います。これを行わずに抗菌薬だけを使用していても効果が不十分になってしまうためです。

抗菌薬は、一般的な菌に効果が高い種類のものが初めは使われます。しかし薬剤に耐性を持った菌がいるため、最初のものが効かなかった場合、抗菌薬を変更する必要があります。処方された薬を使用しても改善が見られない場合には、別の病院を受診するのではなく、出来る限り最初と同じ医療機関を再診するようにしてください。「この薬の効果がなければ次はこう考える」という二の手、三の手がある中で効く可能性の高いものから順に治療が行われるためと、最初の時点からの皮膚の様子の変化が経過を追う上で重要なためです。

現在の日本の医療体制では、「通院は近所のかかりつけ医、入院は地域の総合病院」といった分業と、医療機関同士の連携が重視されています。重症の患者さんが安心していつでも総合病院にかかれるように、総合病院でなくとも診療が行える病状の方は、できるだけ地域のクリニックを受診してもらうことで、住み分けを行うという形です。これには、地元に自分のかかりつけ医(主治医)を作ることで、その人の病状全体が把握できるというメリットもあり、必要あればその都度、病気ごとに専門の医師や医療機関と連携して診療を行います。

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