動物咬傷の基礎知識
POINT 動物咬傷とは
動物に噛まれることで起こる傷や感染症です。噛まれたことで動物が口の中に持っている細菌が体内に入ってきます。ネコに噛まれた人では80%という高確率で動物咬傷による感染が起こるので注意が必要です。感染を起こした微生物によって症状は異なりますが、噛まれた部位が腫れて痛くなることが多いです。 噛まれた動物と噛まれた部位の症状から診断します。治療としては噛まれた部位をよく洗浄することがまず重要です。また、抗菌薬を用いて治療します。場合によっては破傷風の予防のために注射を打つこともあります。動物に噛まれてしまった人や動物咬傷を治療したい人は、救急科や外科を受診してください。感染については感染症科が特に専門的に診ていることもあります。
動物咬傷について
- 動物によって噛まれた傷や、噛まれたことによって起こる感染症を指す
- 動物に噛まれると、唾液などの消化酵素により傷の組織の融解や壊死が起こり、雑菌に感染しやすくなる
- 噛んできた動物の種類によって原因となる細菌が変わってくる
- イヌやネコに噛まれることが多い
- ネコに噛まれた場合は80%と感染症が起こる割合が高いが、イヌに噛まれた場合は5%と感染する割合は低い
- 人間に噛まれた場合が最も不潔であり、様々な細菌が感染症の原因になりうる
動物咬傷の症状
動物咬傷の検査・診断
- 問診と診察から診断される
動物咬傷の治療法
動物咬傷の経過と病院探しのポイント
動物咬傷でお困りの方
動物咬傷は、様々な感染症の原因となります。傷口から菌が入って膿んでしまうと抗生物質(抗菌薬)の内服が必要となりますし、破傷風、狂犬病といった疾患の原因にもなります。なお狂犬病は国内での発症は過去数十年間ありませんが、海外での動物咬傷は、イヌに限らず注意が必要です。
動物に噛まれた時の応急処置としては、まず流水でしっかりと洗うことが重要です。細菌が繁殖しなければ、大抵の傷口はきちんと治ります。傷口が開いていたら縫合をしますし、痕は残ってしまいますが、傷が治らないということはありません。しかし、細菌が繁殖して感染が生じてしまうと、傷口は時間がたつほどに悪化していき治らないため、また別の治療が必要となってしまいます。初期対応の一環で、水で菌を十分に流してしまうことが有効です。なお海外では水道水そのものが衛生的でない場合がありますので注意して下さい。
医療機関を受診する際には、外科のクリニックが適切です。大きな傷で、特に顔面など目立つ場所にある場合には形成外科で細かな処置を行うこともあります。
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