せきずいしゅよう
脊髄腫瘍
脊柱(背骨)には脳からの命令を腕や脚などに伝える脊髄という神経が通っており、そこに生じる腫瘍のこと
11人の医師がチェック 114回の改訂 最終更新: 2018.09.03

脊髄腫瘍の基礎知識

POINT 脊髄腫瘍とは

背骨の中には脊髄という脳からの命令を足や手に伝える神経が通っています。脊髄を通す管を脊柱管といい、この中に脊髄腫瘍はできます。脊髄腫瘍は脊髄を包む硬膜という膜と脊髄を基準にして、「硬膜外腫瘍」と「硬膜内髄内腫瘍」、「硬膜内髄外腫瘍」の3つに分けられます。また、脊髄腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍の両方が発生します。 脊髄腫瘍が大きくなると神経の働きに悪影響を与えて、運動障害(手足の動かしづらさ)や感覚障害(手足のしびれ)などが現れます。CT検査やMRI検査などの画像検査が診断のために行なわれ、診断を確定するために生検(腫瘍の一部を取り出して顕微鏡で調べる)が行なわれることもあります。症状が強い場合や悪性腫瘍が疑われる人には手術によって腫瘍が取り除かれますが、神経に食い込んでいるケースでは取り除くのが難しいことがあり、その場合には放射線療法や化学療法などが行なわれます。手や足のしびれや動かしにくさなどの症状の原因として脊髄腫瘍の可能性があります。脳神経外科や整形外科を受診してください。

脊髄腫瘍について

  • 脊柱(背骨)には脳からの命令を腕や脚などに伝える脊髄という神経が通っている
    • その脊髄が通る空洞を脊柱管という
    • 脊髄腫瘍はこの脊柱管の中にできた腫瘍のことを指す
    • 脊髄自体からも、脊髄を包む組織からも腫瘍ができる
  • 脊髄を包む硬膜という膜を境に、腫瘍ができる場所によって分類する
    • 脊柱管の中で硬膜の外の腫瘍を「硬膜外腫瘍」という
    • 硬膜の中で脊髄の外にできた腫瘍を「硬膜内髄外腫瘍」という
    • 脊髄内部にできた腫瘍を「髄内腫瘍」という
  • 悪性腫瘍がん)と良性腫瘍(がんでないもの)がある
  • 10万人当たり1-2人/年の発症率であり、珍しい

脊髄腫瘍の症状

  • 腫瘍が大きくなると運動麻痺排尿障害が生じる
  • 麻痺は脊髄の圧迫による腕や脚などのしびれ、感覚障害や筋力低下が生じることが多い
  • まれではあるが、腫瘍の種類によっては背骨にも腫瘍が転移することがある

脊髄腫瘍の検査・診断

  • 画像検査:腫瘍の大きさや位置を調べる
    • CT検査
    • MRI検査
  • 確定診断に必要な検査
    • 生検:小さな手術で腫瘍の一部をとって、顕微鏡で調べる
  • 脊椎炎や多発性硬化症でも他の病気でも、症状やMRI画像の様子が似ているため、しっかりと区別する必要がある

脊髄腫瘍の治療法

  • 症状が強い場合や悪性腫瘍(が疑われる)場合は、治療が行われる
  • 手術
    • 腫瘍を取り除く
    • 手術で神経を傷つけて合併症を起こす可能性もある
    • 腫瘍が大切な神経のすぐ周囲であるため、合併症を考えて取りきれないことが多い
  • 放射線療法化学療法抗がん剤治療
    • 腫瘍の種類によって良く効く場合から全く効かない場合まである
    • 手術や生検で腫瘍の種類を診断して、効果が期待できるときに行われる
  • 腫瘍によって一度傷ついた神経は、治療しても元に戻らない
    • 治療が必要な場合は、早めに治療した方がよい

脊髄腫瘍のタグ

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