せきずいしゅよう
脊髄腫瘍
脊柱(背骨)には脳からの命令を腕や脚などに伝える脊髄という神経が通っており、そこに生じる腫瘍のこと
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最終更新: 2022.03.22
脊髄腫瘍の基礎知識
POINT 脊髄腫瘍とは
背骨の中には脊髄という脳から出る命令を足や手に伝える神経が通っています。脊髄を通す管を脊柱管といい、この中に脊髄腫瘍はできます。さらに脊髄腫瘍は脊髄を包む硬膜という膜と脊髄を基準にして、「硬膜外腫瘍」と「硬膜内髄内腫瘍」、「硬膜内髄外腫瘍」の3つに分けられます。また、脊髄腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍の両方が発生します。脊髄腫瘍が大きくなると神経の働きに悪影響を与え、運動障害(手足の動かしづらさ)や感覚障害(手足のしびれ)などが現れます。CT検査やMRI検査などの画像検査が診断のために行なわれ、腫瘍の性質がはっきりしない場合には診断生検(腫瘍の一部を取り出して顕微鏡で調べる)が行なわれます。症状が強い場合や悪性腫瘍の可能性が高い人には手術によって腫瘍が取り除かれますが、神経に食い込んでいるケースでは取り除くのが難しいことがあり、その場合には放射線療法や化学療法などが行なわれます。手や足のしびれや動かしにくさなどの症状の原因として脊髄腫瘍の可能性があります。脳神経外科や整形外科を受診してください。
脊髄腫瘍について
- 脊柱(
背骨 )には脳からの命令を腕や脚などに伝える脊髄 という神経が通っている- その脊髄が通る空洞を
脊柱管 という - 脊髄腫瘍はこの脊柱管の中にできた
腫瘍 のことを指す - 脊髄自体からも、脊髄を包む組織からも腫瘍ができる
- その脊髄が通る空洞を
- 脊髄を包む
硬膜 という膜を境に、腫瘍ができる場所によって分類する- 脊柱管の中で硬膜の外の腫瘍を「硬膜外腫瘍」という
- 硬膜の中で脊髄の外にできた腫瘍を「硬膜内髄外腫瘍」という
- 脊髄内部にできた腫瘍を「髄内腫瘍」という
悪性腫瘍 (がん )と良性腫瘍 (がんでないもの)がある- 10万人当たり1-2人/年の
発症 率であり、珍しい
脊髄腫瘍の症状
腫瘍 が大きくなると運動麻痺 や排尿障害 が生じる- 麻痺は
脊髄 の圧迫による腕や脚などのしびれ、感覚障害や筋力低下が生じることが多い - まれではあるが、腫瘍の種類によっては
背骨 にも腫瘍が転移 することがある
脊髄腫瘍の検査・診断
脊髄腫瘍の治療法
- 症状が強い場合や
悪性腫瘍 (が疑われる)場合は、治療が行われる - 手術
腫瘍 を取り除く- 手術で神経を傷つけて
合併症 を起こす可能性もある - 腫瘍が大切な神経のすぐ周囲であるため、合併症を考えて取りきれないことが多い
放射線療法 や化学療法 (抗がん剤治療 )- 腫瘍の種類によって良く効く場合から全く効かない場合まである
- 手術や
生検 で腫瘍の種類を診断して、効果が期待できるときに行われる
- 腫瘍によって一度傷ついた神経は、治療しても元に戻らない
- 治療が必要な場合は、早めに治療した方がよい