せきずいしょうのうへんせいしょう
脊髄小脳変性症
脳の一部である小脳の異常により、体を上手に動かすことが出来ないなどが特徴的な病気の総称
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最終更新: 2022.03.02
脊髄小脳変性症の基礎知識
POINT 脊髄小脳変性症とは
脳の一部分である小脳や、背骨の中に存在する脊髄の細胞が徐々に変性していく病気です。運動失調や立ちくらみ、けいれんなどさまざまな症状が現れます。脊髄小脳変性症の診断のために遺伝子検査や画像検査(MRI検査やCT検査など)が行われます。現在は根本的な治療はまだなく、症状を和らげるためにリハビリテーションや薬物治療を行います。脊髄小脳変性症が疑われる人は脳神経内科で診療が行われます。
脊髄小脳変性症について
- 脳の一部である小脳、脳から背骨の中に伸びる脊髄の組織に異常が起こり、体を上手に動かすことができないなどの特徴的な症状を来す病気の総称
- 脊髄小脳変性症は複数の病気の総称であるため、さまざまな原因がある
- 原因が明らかでないものもある
- 遺伝によるものが全体の1/3を占める
- 生活習慣の影響は少ないとされている
- 人口10万人あたり5-10人
- 病気は大きく遺伝性と非遺伝性の2つに分けられる
- 遺伝性脊髄小脳変性症(脊髄小脳変性症の3-4割)
- SCA3(マシャド・ジョセフ病)
- SCA6
- 歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症(DRPLA)など
- 非遺伝性(孤発性)のもの(脊髄小脳変性症の6-7割)
- 遺伝性脊髄小脳変性症(脊髄小脳変性症の3-4割)
脊髄小脳変性症の症状
- 症状は多様であり、また細かな分類によって症状が異なる
- 共通して見られやすい症状
- 運動失調
- 立つ、歩くときのふらつき
- 手の震え
- ろれつが回らない
- 運動失調
- その他、見られることがある症状(一部)
- 四肢のつっぱり
- 起立性低血圧(立ちくらみ)
- 筋の萎縮 など
- 遺伝性の脊髄小脳変性症には症状に特徴がある
- SCA3(マシャド・ジョセフ病)
- ふらつきが目立つ
- 症状の進行がゆっくりである
- SCA6
- 両足が麻痺して動かしにくくなる
- 焦点が合わなくて物が二重に見える(複視)
- 歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症(DRPLA)
- けいれん
- 突然ビクッとなって筋肉に力が入る状態(ミオクローヌス)
- 意図せずに体がくねくねと動いてしまう(舞踏病)
- SCA3(マシャド・ジョセフ病)
脊髄小脳変性症の検査・診断
- 遺伝子検査:遺伝子の異常を調べる
- 画像検査:脊髄、小脳の状態を調べる
- CT検査:脊髄、小脳の萎縮の程度などを調べる
- MRI検査:脊髄、小脳に変性の有無を詳しく調べる
- 鑑別が必要な疾患とその検査
- 脳血管障害:上記の画像診断で見分ける
脊髄小脳変性症の治療法
脊髄小脳変性症に関連する治療薬
脊髄小脳変性症治療薬(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン製剤)
- 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を元に造られた製剤で体内でTRHの中枢神経系への作用により小脳運動失調症状を改善する薬
- 脊髄小脳変性症では小脳、脊髄の組織異常により体をうまく動かすことができなくなる
- 脊髄小脳変性症の主な症状として立った時にふらつくなどの運動失調がある
- 中枢の神経伝達物質に多様な作用をあらわす甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)は小脳運動失調の改善作用が確認されている
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