こうにょうさんけっしょう
高尿酸血症
血液中の尿酸の濃度が高い状態。痛風や腎障害、尿路結石などの原因となりうる
8人の医師がチェック 67回の改訂 最終更新: 2018.05.31

Beta 高尿酸血症のQ&A

    高尿酸血症ではどんな症状が出るのですか?

    高尿酸血症そのものによっては症状は出ません。しかし、高尿酸血症が続くと痛風を起こしやすくなり、痛風では激しい痛みが生じます。

    痛風は、突然の足の関節痛で発症することが多いです。足の親指の付け根や足首の関節に多く、肘や指、膝などに症状が出ることもあります。複数箇所の関節が同時に痛くなることは有り得ますがまれです。関節は痛みと同時に赤みと熱を持ち、腫れてくることが特徴です。痛みは数日間から1週間程度持続することが多いと言われています。患部の熱だけでなく、全身の発熱で39度を越えるような場合もあります。

    また、何回も痛風発作を繰り返している方の場合には、痛みが出る半日前から数時間前などに患部の違和感(しびれやムズムズ感など)が実感できる場合もあります。

    高尿酸血症の診断方法について教えて下さい。

    高尿酸血症そのものは、病気というよりも血液中の尿酸の濃度が高いという「状態」に過ぎません。したがって診断方法は、血液検査で尿酸値を測定することそのものになり、また、それ以外の検査(レントゲンやCTなど)で診断をつけることはできません。

    高尿酸血症と痛風の違いについて教えて下さい。

    高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えている状態と定義されています。

    参考:「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版 追補ダイジェスト版 2012年)日本痛風・核酸代謝学会

    尿酸値が高いほど、痛風を発症しやすくなります。また、痛風を発症しなかったとしても、高尿酸血症であるというだけで各種生活習慣病や慢性腎臓病の発症リスクが高まることが知られています。

    痛風とは、関節に尿酸の結晶ができて炎症が生じた状態のことです。医学的には痛風発作、痛風関節炎などと呼ばれることもあります。強い痛みがあり、通常数日間で改善するものの、繰り返し症状が再燃することがあります。

    高尿酸血症の治療法とその選び方について教えて下さい。

    高尿酸血症治療の原則は、生活習慣の改善です。それで効果が不十分な場合には尿酸降下薬を内服し、平常時の尿酸値を低めに保つよう努めます。

    尿酸降下薬には2つの種類があります。

    • 尿酸生成阻害薬

      • 体内でプリン体を元に尿酸が作られる反応を抑制することで尿酸値を低下させます。

    • 尿酸排泄促進薬

      • 体内でできた尿酸を、尿から体外へ排泄させることで尿酸値を低下させます。

    どちらがより強い薬、より効果のある薬というわけではなく、それぞれ働き方が異なります。高尿酸血症以外に何かかかっている病気があるかどうかや、腎機能などに応じて使い分けられます。

    高尿酸血症の、その他の症状について教えて下さい。

    高尿酸血症が続くと、痛風結節と呼ばれるコブができることがあります。悪性腫瘍のように命に関わるものではありませんが、初期には数mm大であるものが、放置していると数cmまで成長することがあります。尿酸値を低くコントロールすることで、縮小する場合があります。結節に細菌が感染したり、関節や神経を圧迫している場合には手術で摘出することも可能です。

    高尿酸血症は、どの程度の頻度で起こる病気ですか?

    高尿酸血症のある割合については、国内の成人男性で20-30%、成人女性では1-4%とされています。

    また、これとは別に30歳以上の男性では、痛風の有病率が1%以上であるとする報告があります。しかしながら、これは自己申告制の集計結果(国民生活基礎調査、2004)ですから、実際にはこれよりも高い有病率である可能性が考えられます。

    高尿酸血症の人は、尿酸値がいくつ以上の場合に、尿酸値を下げる治療を行うべきですか?

    痛風発作を繰り返している場合には原則として治療を開始し、尿酸値を6.0mg/dl以下に維持することを目指します。逆に痛風発作を一度も起こしていないが尿酸値が高いという場合には、必ず治療が必要というわけではありませんが、8.0mg/dlを上回っていることが内服薬の開始を考慮する目安とされています。

    参考:「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版 2010年)日本痛風・核酸代謝学会

    高尿酸血症の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    高尿酸血症とは、血液中に多くの尿酸が含まれている状態を指します。アルコール摂取や、食事からのプリン体(尿酸の原料となる)の過剰摂取は尿酸値を上げることにつながりますし、もともと尿酸を産生しやすい、もしくは尿酸を体外へ排泄しにくいといった、人それぞれの体質も関与しています。

    尿酸はもともと人間の血液中に含まれる物質ではあるのですが、この濃度(尿酸値)が高くなると血液中に溶けきらずに固体化(析出)し、関節内などで結晶となります。関節の内部で結晶化した尿酸が周囲を刺激して炎症が生じた状態のことを痛風と呼びます。

    高尿酸血症の人は、尿酸降下薬を生涯飲み続ける必要があるのですか?

    基本的には尿酸値が下がらない限りは内服を続けます。また尿酸降下薬は高くなった尿酸値を一時的に下げるための薬ですので、内服を中断すると再度尿酸値は上がってくることになります。

    一方で、高尿酸血症の原因には生活習慣の因子も強く関与しているため、生活習慣の改善のみで尿酸値が改善することもあります。そのような場合には、内服薬を飲み続ける必要はありません。

    高尿酸血症は、遺伝する病気ですか?

    高尿酸血症があると子にも必ず発症するというほどの遺伝性疾患ではありませんが、高尿酸血症になりやすい体質は遺伝すると言われています。

    高尿酸血症に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    アルコール、肉類、糖質を多く含むソフトドリンクの摂取量が多い人や、BMIが高い人は痛風を発症しやすい傾向にあるとする報告があります。同報告ではコーヒー摂取量が多い、適度な運動を日常的に行っている、ランニング距離が長い人は痛風を発症しにくいことも指摘されています。

    高尿酸血症は生活習慣病の一つですから、痛風の発症を予防するためにもこれらの点に留意して日常生活の改善を心がけるべきと考えられます。

    アルコールと高尿酸血症の関係を教えて下さい。

    アルコールは尿酸値の上昇に関連しています。ビールなどのお酒には尿酸の原料となるプリン体が多く含まれていますし、またプリン体カットの飲料であってもアルコールそのものに尿酸値を高くする作用があるため、痛風を予防する観点からは、飲酒量を減らすことが望ましいと言えます。

    高尿酸血症の原因となる、プリン体を多く含む食物を教えて下さい。

    魚介類や肉には多くのプリン体が含まれます。魚介類ではカツオ、イワシ、エビなどに、肉類では特にレバーに多く含まれています。

    アルコールでは紹興酒やビールに多いのですが、アルコールそのものに尿酸値を直接上げる作用があるため、実際のプリン体の含有量以上に注意が必要です。