Beta 扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍のQ&A
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍の原因、メカニズムについて教えて下さい。
喉の左右の奥の壁に、「扁桃腺」と呼ばれる組織が存在します。これは見た目がアーモンドのような形をしているので、扁桃(アーモンド)腺と呼ばれています。扁桃周囲炎は急性に起こった扁桃腺の感染がその周囲にも波及した状態です。これに膿瘍も形成した場合には扁桃周囲膿瘍といいます。扁桃周囲膿瘍は左右どちらかの扁桃腺に起こることが多いです。また、成人に多く、小児では稀な疾患です。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍は、どんな症状で発症するのですか?
扁桃周囲炎の最初は咽頭痛、嚥下痛など通常の扁桃炎、かぜと同じ症状から始まり、症状が改善しないまま数日間経過するうちに、激しい咽頭痛、高熱、開口障害、嚥下困難が起きてきます。
扁桃周囲膿瘍が重症化すると、どのような症状が起こりますか?
膿瘍が咽頭の周囲の広範囲まで波及しますと飲み込むことが難しくなり、さらに広範囲まで波及しますと呼吸困難が出現し生命の危険が出てきます。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍は、どのように診断するのですか?
見た目と細菌検査で診断をつけます。見た目は、扁桃腺とその周囲の赤みと白い付着物が特徴で、膿が形成された場合は口蓋垂が押されて左右対称の位置から動きます。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍の、その他の検査について教えて下さい。
扁桃周囲膿瘍を疑った場合は、CT検査やエコー検査を用いて膿の溜まっている部位を特定します。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍の治療法について教えて下さい。
原因となっている菌を駆逐するための抗菌薬治療が必要で、嚥下困難や脱水症状もある場合には点滴による抗菌薬の使用が必要になります。膿みがある場合は、穿刺あるいは切開して膿を排除します。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?
重症でない方(食事が摂れる状態で感染が治癒傾向である場合)は入院の必要はありません。ただ、基本的に膿がある場合には重症化しうる状態と考えて、入院治療が望ましいと考えます。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍を繰り返す場合は、どうしたらよいでしょうか?
1年の間に数回再燃を繰り返す方は、扁桃腺を摘出する手術(口蓋扁桃摘出手術)を検討いたします。