がいしょうせいくもまくかしゅっけつ
外傷性くも膜下出血
頭のケガが原因で、脳を包んでいる「くも膜」の内側に出血が広がった状態
13人の医師がチェック 152回の改訂 最終更新: 2018.02.21

Beta 外傷性くも膜下出血のQ&A

    外傷性くも膜下出血の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    外傷性くも膜下出血は、交通事故や高い場所からの転落などによって受けた頭部への強い衝撃や衝撃によって頭蓋骨が折れることで、脳の中の血管が切れてしまうことが原因で起こります。 脳は、外側から硬膜、くも膜、軟膜という三層で覆われています。外部からの衝撃によって、くも膜と軟膜の間に出血が起きることで発症します。

    外傷性くも膜下出血は、遺伝する病気ですか?

    外部からの障害によるものであるため、他人にうつることや遺伝によって発症することはありません。

    外傷性くも膜下出血は、どんな症状で発症するのですか?

    今まで感じたことのない激しい頭痛、吐き気を伴います。また、外部からの衝撃によって脳が傷ついてしまった場合には、半身の麻痺や感覚障害(痺れや感覚を感じないなど)、言語障害(言葉が出にくくなる、言葉の意味がわからなくなるなど)、けいれんなどが見られます。  呼吸をつかさどる部位が障害された場合は、呼吸ができなくなる場合もあります。

    外傷性くも膜下出血が重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    脳を保護する役目を果たす脳髄液がうまく排出されないことによって、脳内に髄液が増えると、「外傷性水頭症」と呼ばれ、うまく歩けない、失禁をする、意識の低下、思考速度の低下などの症状がみられることもあります。  また、たまった脳髄液が脳内の圧を高めることで、瞳孔不動(片目がひらいたままになる)、対光反射の低下(光を目にあてても黒目の大きさが変わらない)、意識の障害、半身の麻痺、呼吸困難、除脳硬直(手足がつっぱったままになる)、血圧が高くなるなどの症状がみられることもあります。

    外傷性くも膜下出血は、どのように診断するのですか?

    「激しい頭痛や吐き気」といった症状がみられていることを確認し、頭部CTでくも膜下腔(くも膜の下にある隙間)が高吸収域であること(白くうつっていること)を確認します(発症24時間以内であれば、診断率90%以上)。

    外傷性くも膜下出血の、その他の検査について教えて下さい。

    くも膜下出血の主な症状がみられない場合でも、動脈瘤(血液が固まったもの)が動眼神経(脳神経のうち、目を動かすなどの役割をもつ神経)を圧迫することによる動眼神経麻痺(眼瞼下垂、瞳孔異常、複視など)がみられる場合もあります。微小な出血や出血が起こってから24時間以上経過した場合の診断は、MRIや3D-CT、脳血管撮影(脳内の細かい血管を調べる)などを行います。  また、CTではくも膜下出血が認められない場合でも、くも膜下出血の症状でている場合は、腰椎穿刺(腰の骨から髄液をとる)を行い、脳脊髄液の性状を確認します。発症直後では、赤く、発症後数日たったものは橙黄色となります。

    外傷性くも膜下出血の治療法について教えて下さい。

    くも膜下腔にでた血液は自然と吸収されることが多いため、手術などの治療が行われることはありません。  外傷によって頭蓋骨内の圧があがってしまった場合には、それを解消するために、薬を飲んだり、頭蓋骨を切除し圧を調整するなどの治療が行われます。

    外傷性くも膜下出血の治療薬について教えて下さい。

    くも膜下腔にでた血液は自然と吸収されることが多いため、手術などの治療が行われることはありません。  外傷によって頭蓋骨内の圧があがってしまった場合には、それを解消するために、薬を飲んだり、頭蓋骨を切除し圧を調整するなどの治療が行われます。

    外傷性くも膜下出血の治療薬について教えて下さい。

    外傷性くも膜下出血の合併症として生じる「頭蓋内圧亢進」には、利尿薬(アセタゾラミなど)によって、身体の水分を尿として排出することを促します。脳を含めた全身の水分量を減らす薬などが用いられます。

    外傷性くも膜下出血は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?

    外傷によって受けた脳の障害の程度や範囲によって、入院の必要性や通院の長さは異なります。衝撃が加わったときの脳の損傷による障害は一部だけにとどまることが多いものの、頭蓋骨の骨折や衝撃によって揺らいだ脳が反対側の頭蓋骨にぶつかることで生じる脳への影響により、心身の障害だけでなく、高次脳機能障害(物事の遂行や思考などに必要な機能が障害される病気の総称)などの障害が起きることが知られています。

    外傷性くも膜下出血にはリハビリテーションが必要ですか。また、どのくらいの期間必要ですか。

    必要に応じて、事故等の怪我によって生じた骨折や脳に生じた障害に対するリハビリテーションが行われます。骨折に対するリハビリテーションは、数ヶ月で終了することが多くありますが、脳の障害に対するリハビリテーションは、時間を要します。特に高次脳機能障害に対しては、長期間(数年以上)のリハビリテーションが必要となることが知られています。

    外傷性くも膜下出血に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    事故などによって引き起こされることが多いため、日常の生活習慣を正しても起きる可能性はあります。予防のためには、自転車に乗る際や高い所から転落する可能性のあるスポーツを行う際には、ヘルメットなどで頭部を保護することが予防の一つになります。

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