ぎょうちゅうしょう
蟯虫症
腸の寄生虫である蟯虫(回虫の一種)による感染症
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最終更新: 2017.12.06
蟯虫症の基礎知識
POINT 蟯虫症とは
腸の寄生虫である蟯虫による感染症です。蟯虫は小腸で幼虫となり、大腸に移動して成虫になります。その後肛門で卵を生むことが分かっています。主な症状は肛門周囲のかゆみになります。 早朝に肛門周囲に透明なテープを貼りそこの蟯虫の集卵があるかどうかを確認して診断します。抗寄生虫薬を用いて治療します。蟯虫症が心配な人や治療したい人は、感染症内科を受診して下さい。
蟯虫症について
- 腸の寄生虫である蟯虫(回虫の一種)による
感染症 - 蟯虫の卵を飲み込むことによって感染が起こる
- 蟯虫は、小腸で幼虫となり、大腸に移動した後に成虫となる
- メスの成虫はヒトの肛門に卵を産み付ける
- 肛門に産み付けられた卵は指や衣服やおもちゃ、食べ物などに付着した後に再び口に入り循環する
- 付着した卵は、2-3週間生き続ける
- 昔にくらべて日本での発生率は著しく低下している
- 子どもが感染することが多かったが、2013年には0.2%の人に蟯虫卵が見られる程度になっている
- 2016年度から小学校での蟯虫検査は廃止される
- 口腔性交や肛門性交で感染することもある
- 盲腸に寄生すると虫垂炎の原因となる
蟯虫症の症状
- 肛門周辺のかゆみ
- 膣のかゆみが出ることもある
蟯虫症の検査・診断
- テープ法
- 早朝に、肛門周辺を透明なテープでふく
- このテープを顕微鏡で観察し、虫卵がないか検査する
- 就寝後1-2時間後に肛門を調べると、蟯虫が卵を産み付けるために肛門から出てくる様子が見つかることがある
蟯虫症の治療法
- 抗寄生虫薬
- アルベンダゾールやメベンダゾールやピランテルパモ酸塩を用いる
- 診断時と、その2週間後の合計2回服用する
- 肛門周辺のかゆみにはかゆみ止めのクリームや軟膏を塗る
- 家のどこかに虫卵が残っていれば、再び感染する可能性や、家族に感染する可能性がある
- 衣服や布団、シーツなどを定期的に洗う
- 治療は本人だけでなく、同居している他の家族も受けることが勧められる
蟯虫症のタグ
蟯虫症に関わるからだの部位
