鼻骨骨折の基礎知識
POINT 鼻骨骨折とは
鼻骨は鼻の付け根にある骨で、スポーツなどで肘があたったり、交通事故などで骨折します。症状は鼻血、鼻の付け根の皮下出血や腫れ、痛みなどです。見た目で、鼻すじがまがったり、鼻の付け根が凹んでいる場合は診断可能です。詳細に調べるためにレントゲン(X線)検査やCT検査も行われることがあります。整復を行うかは鼻の変形が目立つかどうかで決められます。受傷後1週間以内であれば耳鼻科で局所麻酔後に骨折部分を器具でもちあげる整復術がしばしば行われます。これはクリニックでも行われることがあります。1ヶ月以上たって変形が目立つ場合は全身麻酔での手術が必要です。鼻を強く打ったり、その後から鼻がまっすぐではない自覚がある場合は、鼻骨骨折の可能性がありますので耳鼻咽喉科を受診してください。
鼻骨骨折について
- 鼻の骨折のこと
- 鼻の先端の部分は、骨ではなく
軟骨 でできており、こちらも骨折するが、厳密には軟骨でない部分の骨折を指す - 骨が薄いため、肘が当たったくらいの比較的弱い力でも簡単に折れてしまう
- 殴られたり、交通事故やスポーツで鼻を強打した時などに多く生じる
- 顔面の骨の中でも外力を受けやすい部位であり、しばしば見られる骨折の一つ
鼻骨骨折の症状
- 止まりづらい鼻血
皮下出血 - 鼻の変形
- 鼻の付け根部分がはれる
- 鼻筋が「く」の字になったり、鼻の付け根部分が陥没することが多い
鼻骨骨折の検査・診断
- 骨折の大きな場合は、症状の
問診 と鼻の状態の診察からある程度診断できる - 画像検査:骨折の状態を調べる
レントゲン (X線 )検査 :骨折の有無を調べる頭部CT検査 :骨折の有無やずれの程度を調べる
鼻骨骨折の治療法
- 骨折してから間もなければ、局所麻酔で骨折部分を器具で持ち上げて整復する
- 整復後、1週間程度は固定をする
- 1か月以上経過してしまうと、整復は難しくなるため、
骨切り術 で骨組みを作り直す - 骨折してから早ければ早いほど整復が容易
- 受傷直後であればすぐに整復可能
- 受傷後半日から数日間経過した時点では腫れがもっとも強いため、腫れの程度によっては正確に整復することが困難
- そのような場合、逆に腫れが引くまで整復を待つ場合もある
鼻骨骨折の経過と病院探しのポイント
鼻骨骨折が心配な方
鼻を強く打ったり、その後から鼻がまっすぐではなく曲がっている自覚があったりする場合には、まずは耳鼻科のクリニックを受診することをお勧めします。見た目だけでの診断が難しければ、レントゲンやCT撮影を行いますが、受診したクリニックに機械がない場合は、他のクリニックや総合病院を紹介してもらうことになるでしょう。
夜間は救急外来で診断されることがあり、その際は耳鼻科医が不在のこともありますが、1週間以内に耳鼻科(または形成外科でも対応可能です)を受診すれば整復可能なため、最初は救急外来での診察でも問題ありません。
鼻骨骨折でお困りの方
受傷後1週間以内であれば、耳鼻科にて、局所麻酔後に骨折部分を器具で持ち上げる整復術を行います。クリニックでも実施可能です。1か月以上経っていて変形が目立つ場合には、手術を行うことが多いです。
いずれの場合でも整復を行ってから、1週間程度は鼻を固定し、安静にすることが大切になります。骨折部位の腫れが引き、固定が終了した時点で、鼻の曲がりがないか確認してもらうことも大切です。