しつかんせつだっきゅう
膝関節脱臼
膝関節に関わる4つの骨(大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨)のいずれかが脱臼した状態のこと
4人の医師がチェック 70回の改訂 最終更新: 2017.12.06

膝関節脱臼の基礎知識

膝関節脱臼について

  • 膝関節に関わる4つの骨(大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨)のいずれかが脱臼した状態のこと
  • ほとんどは、膝蓋骨と呼ばれる、膝のお皿の脱臼である
  • 高い場所から飛び降りたり、スポーツ中の衝突などにより、膝の関節に強い力が加わることで、引き起こされる
  • 以下のことが原因としてあげられる
    • スポーツ
      ・ラグビーやサッカーなどの接触のあるスポーツを行っている人で多い
    • 外傷
    • 交通事故
    • 生まれつき関節がゆるい
  • 反復性の場合
    • 10歳代の女児に多い

膝関節脱臼の症状

  • 膝の激痛
  • 膝の変形

膝関節脱臼の検査・診断

  • レントゲン:骨折の有無や骨のずれの程度を調べる
  • CT:レントゲンではわからない、骨折の有無や骨のずれの程度を調べる

膝関節脱臼の治療法

  • 保存療法:膝蓋骨の脱臼の場合、元の位置に戻した後に、膝の専用サポーターをつけて安静にする
  • 手術
    • 靭帯再建術:関節を元の形に戻して、外れないように靭帯をつなぎ直す
  • 手術後、スポーツ復帰には3-6か月以上のリハビリテーションが必要
    • 膝の筋力を改善したり、再発防止のためにスポーツ中の動き方を練習する

膝関節脱臼の経過と病院探しのポイント

膝関節脱臼が心配な方

膝関節脱臼は、太ももの骨と下腿(膝と足首の間)の骨がずれてしまう脱臼です。これらの骨は靱帯で本来しっかりと固定されていますから、脱臼があるということは前十字靱帯断裂のような、靱帯の損傷も加わっているということになります。

膝関節脱臼は膝のケガの中でも非常に重篤なもので頻度は高くないのですが、交通事故などで大きな衝撃が加わった際に生じやすい疾患です。このような事故の後から膝が痛くて腫れている場合には、膝関節脱臼の可能性があります。それ以外に似た症状を来たす疾患としては膝の靱帯の損傷や、大腿骨、脛骨、腓骨の骨折などがあります。脱臼があるとは言え膝関節は大きく腫れ上がってしまうため、症状だけからご自身で膝関節脱臼と診断するのは必ずしも容易ではありません。実際に医療機関を受診された際には、膝関節脱臼の診断は診察とレントゲンで行います。また靭帯の損傷を確かめるためにMRIが行われることもあります。

ご自身の症状が膝関節脱臼でないかと心配になった時、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。痛みで全く立ち上がれないという時には救急車での受診が適切でしょう。歩いての受診が可能で、結果的に脱臼ではなく筋肉や靱帯の軽度の損傷であればクリニックで対応が可能です。もし診断が膝関節脱臼で手術が必要そうな場合には、レントゲンやその他行われた診察、検査の結果をまとめた診療情報提供書(紹介状)とともに、手術可能な病院を紹介してくれます。

受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医が初期対応に当たることになります(日中は救急外来をやっていない病院もあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要となったりします。

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膝関節脱臼でお困りの方

膝関節脱臼の場合、まずは脱臼を治すことが必要です。足を引っ張りながら関節の位置が適切になるよう、骨を元通りにします。脱臼の治療の他に、膝の周りを通る靱帯、血管、神経が傷ついていないかの確認が必要です。これらの損傷があった場合には、軽症のものを除き基本的に手術が行われます。膝関節脱臼は、診断がつき次第その場で治療が開始されますので、どこでどのような治療を受けるかを迷う余地は少ない疾患かもしれません。ただし、靱帯の手術についてはケガの直後に行う場合と、ある程度腫れや出血が治まった時点(数週間から数か月後)に行う場合があります。どちらが良いかはその都度医師と相談しながら決めていくことになります。

手術後は、あまり安静にし過ぎているとかえって関節が固まって動かしづらくなってしまうため、痛みに耐えられる範囲で早期からリハビリテーションを開始していきます。

ご高齢の方で入院中に筋力が低下してしまったり、以前のように歩くことが難しくなってしまった場合には長期間のリハビリテーションが必要となります。一人で日常生活を行うことができないような場合には、急性期病院から回復期病院(リハビリ病院、療養型病院)に転院して、リハビリを行います。急性期病院にも一般的にリハビリの施設はついていますが、回復期病院の方がリハビリに専念しやすい環境が整っています。一緒にリハビリを行うことになるのは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったスタッフですが、患者さん一人あたりのスタッフ数や、リハビリ設備(リハビリ室や器具)の充実度といったところが病院を探す上で参考になります。リハビリの回数が1日1回なのか、それとも午前と午後で2回あるのか、1日に受けられるリハビリの総時間、土日はどうかといった点も、回復期の病院を探す上でのポイントとなります。

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