はいかのうしょう(はいのうよう)
肺化膿症(肺膿瘍)
肺炎が悪化して、肺の中に膿ができてしまった状態
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最終更新: 2022.07.27
肺化膿症(肺膿瘍)の基礎知識
POINT 肺化膿症(肺膿瘍)とは
肺の中で膿がたまる病気です。肺炎が悪化して肺化膿症になることが一般的です。結核になった人や肺がんのある人に肺化膿症が起こりやすいので、肺化膿症の治療をしながら結核や癌が隠れていないか並行して検査することもよくあります。主な症状は発熱・悪寒・咳・痰などですが、感染が進行すると胸痛や呼吸困難感が出現します。血液検査・細菌検査・画像検査・気管支鏡検査などを用いて診断されます。抗菌薬を用いて治療されますが、重症であったり治りが悪い人では膿を身体の外に出す処置(ドレナージ)や、外科手術が行われます。肺化膿症が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科や感染症内科を受診して下さい。
肺化膿症(肺膿瘍)について
肺化膿症(肺膿瘍)の症状
- 主な症状
- 寒気
- 高熱
- 咳
- 痰:血が混じる痰、黄~緑色の痰、嫌な臭いの痰が出る
- 胸膜まで炎症が及ぶと胸痛が起こることもある
- 重症になると呼吸困難が起こる
肺化膿症(肺膿瘍)の検査・診断
- 血液検査:炎症の程度を調べる
- 画像検査
- 胸部レントゲン(X線)検査
- 胸部CT検査
- 細菌検査:痰の培養検査(喀痰培養検査)で原因菌を調べる
- 痰の細胞診で、肺がんがないかどうかを確認することもある
- 気管支鏡検査:気管支の異常や腫瘍がないかなどを調べる、原因菌を調べる
肺化膿症(肺膿瘍)の治療法
- 抗菌薬(抗生物質)を使用し薬物治療を行う
- 飲み薬では不十分で、まずは入院して点滴による治療を行うことも多い
- 病状が安定すれば飲み薬に切り替えて退院できるが、治療期間は合計1ヶ月以上に及ぶことが一般的
- 抗菌薬(抗生物質)による治療が不十分な場合は、早めに外科手術やドレナージ(CT写真を見ながら膿の中に針を刺して、膿を吸い出すなどする)治療が行われる
- 外科手術としては、膿ごと肺の一部を切り取ってしまうことが多い
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