いんごのうよう
咽後膿瘍
のどの奥にある咽後間隙(いんごかんげき)という部分に感染で生じた膿がたまった状態
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最終更新: 2017.12.06
咽後膿瘍の基礎知識
POINT 咽後膿瘍とは
咽後膿瘍は感染によってのどの奥に膿が溜まった病気です。主な症状は発熱・のどの痛み・飲み込みにくさ・首のリンパ節腫脹などになります。重症になるとのどの奥が腫れ上がってくるため、空気の通り道が狭くなってしまい窒息することがまれにあります。 症状の経過や身体診察、画像検査から総合的に診断します。また細菌検査を行って感染の原因となっている細菌を特定します。治療はのどの奥に針を刺したり切開したりして膿を出すと同時に、原因となっている細菌に有効な抗菌薬を使用します。咽後膿瘍が心配な人や治療したい人は、耳鼻咽喉科や感染症内科を受診して下さい。
咽後膿瘍について
- のどの奥にある咽後間隙という部分に感染で生じた
膿 (うみ )がたまった状態- 重症化すると気道が詰まって窒息に至る危険性のある病気
- 起炎菌が周囲や全身に広がって重症化しやすい
- 膿ができると
抗菌薬 が効きにくくなる
- のどや口の中の感染や
炎症 、外傷が起こることが原因 - 1-8歳の子どもに多い
咽後膿瘍の症状
- 飲み込みにくさや発熱、呼吸の異常
- 子どもの場合
- 飲み込む時ののどの痛み
- 飲み込みにくい
- 発熱
- 首のリンパが腫れる
- 喘音(息を吸うときに「ぜーぜー」する)
- 声がこもる
- よだれを垂らす
- 首のこわばり
- 大人の場合
- 発熱
- のどの痛み
- 飲み込む時ののどの痛み
- 飲み込みにくい
- のどの後ろが腫れて、鼻で呼吸がしにくい
- 子どもの場合
膿 の周りの出血- 膿が流れ出て気道をふさぐことによる呼吸困難
- 痛みで飲み込めなくなることで、食べ物や飲み物がとれなくなる
咽後膿瘍の検査・診断
問診 、視診:のどの痛み、首のこわばり、呼吸の状態をみる- 画像検査:のどの状態を調べる
レントゲン 検査(X線 写真):のどの膿 の有無を調べる- 頚部
CT 検査:のどの膿の有無と程度を調べる
細菌検査 - 感染の原因となっている
細菌 を特定する
- 感染の原因となっている
咽後膿瘍の治療法
- 軽症の場合は、
抗菌薬 の投与だけで治療できることがある 膿 のたまっている部分を切り、膿を外へ出す手術が行われる- 気道が狭くなって呼吸ができない場合は、一時的に気管内挿管を行い空気の通り道を確保する
咽後膿瘍のタグ
咽後膿瘍に関わるからだの部位
