いんごのうよう
咽後膿瘍
のどの奥にある咽後間隙(いんごかんげき)という部分に感染で生じた膿がたまった状態
7人の医師がチェック 96回の改訂 最終更新: 2017.12.06

咽後膿瘍の基礎知識

POINT 咽後膿瘍とは

咽後膿瘍は感染によってのどの奥に膿が溜まった病気です。主な症状は発熱・のどの痛み・飲み込みにくさ・首のリンパ節腫脹などになります。重症になるとのどの奥が腫れ上がってくるため、空気の通り道が狭くなってしまい窒息することがまれにあります。 症状の経過や身体診察、画像検査から総合的に診断します。また細菌検査を行って感染の原因となっている細菌を特定します。治療はのどの奥に針を刺したり切開したりして膿を出すと同時に、原因となっている細菌に有効な抗菌薬を使用します。咽後膿瘍が心配な人や治療したい人は、耳鼻咽喉科や感染症内科を受診して下さい。

咽後膿瘍について

  • のどの奥にある咽後間隙という部分に感染で生じたうみ)がたまった状態
    • 重症化すると気道が詰まって窒息に至る危険性のある病気
    • 起炎菌が周囲や全身に広がって重症化しやすい
    • 膿ができると抗菌薬が効きにくくなる
  • のどや口の中の感染や炎症、外傷が起こることが原因
  • 1-8歳の子どもに多い

咽後膿瘍の症状

  • 飲み込みにくさや発熱、呼吸の異常
    • 子どもの場合
      • 飲み込む時ののどの痛み
      • 飲み込みにくい
      • 発熱
      • 首のリンパが腫れる
      • 喘音(息を吸うときに「ぜーぜー」する)
      • 声がこもる
      • よだれを垂らす
      • 首のこわばり
    • 大人の場合
      • 発熱
      • のどの痛み
      • 飲み込む時ののどの痛み
      • 飲み込みにくい
      • のどの後ろが腫れて、鼻で呼吸がしにくい
  • の周りの出血
  • 膿が流れ出て気道をふさぐことによる呼吸困難
  • 痛みで飲み込めなくなることで、食べ物や飲み物がとれなくなる

咽後膿瘍の検査・診断

  • 問診、視診:のどの痛み、首のこわばり、呼吸の状態をみる
  • 画像検査:のどの状態を調べる
    • レントゲン検査(X線写真):のどのの有無を調べる
    • 頚部CT検査:のどの膿の有無と程度を調べる
  • 細菌検査
    • 感染の原因となっている細菌を特定する

咽後膿瘍の治療法

  • 軽症の場合は、抗菌薬の投与だけで治療できることがある
  • のたまっている部分を切り、膿を外へ出す手術が行われる
  • 気道が狭くなって呼吸ができない場合は、一時的に気管内挿管を行い空気の通り道を確保する

咽後膿瘍のタグ

咽後膿瘍に関わるからだの部位