たいじすいしゅ
胎児水腫
さまざまな原因で、胎内の赤ちゃんのむくみが強い状態になっていること
4人の医師がチェック 95回の改訂 最終更新: 2019.01.07

胎児水腫の基礎知識

POINT 胎児水腫とは

お腹の中の赤ちゃんの身体がむくんでいる状態のことを指します。原因は遺伝子・染色体の異常や心臓の病気、感染症(伝染性紅斑やサイトメガロウイルス感染)などがあります。妊娠中の超音波検査によって見つかることが多く、詳しく調べるために羊水検査や赤ちゃんの血液検査(臍帯血穿刺)が行われます。胎児水腫の根本的な治療はなく、分娩後に症状や原因に応じて治療されます。胎児水腫が疑われる場合は、分娩やその後の治療に備えて専門的な施設での出産を進められることがあります。

胎児水腫について

胎児水腫の症状

  • 主な症状
    • 全身のむくみ
    • 胸水腹水・心のう液(心臓の周りの液体)の増加
  • 母体にも胎児と同じように全身のむくみが現れることもある

胎児水腫の検査・診断

  • 妊娠中の胎児超音波検査により診断される
    • 全身のむくみや、胸水腹水などから診断される
  • 原因精査のため、羊水検査や臍帯穿刺による胎児の血液検査が必要になることもある

胎児水腫の治療法

  • 胎児水腫そのものに対する治療はなく、週数や胎児の状態から分娩の時期を決定することが最も重要
  • 出生後は児の循環管理が不可欠となる
  • その他原因に応じた治療
    • 不整脈が原因の場合
      • 母に不整脈の治療薬を使用:薬が胎盤を通して胎児に届く
    • 貧血が原因の場合
      • 輸血:母のお腹から輸血用の針をへその緒に刺して、胎児に輸血する
    • 双胎間輸血症候群が原因の場合
      • 胎盤表面にある血管(双子の間を繋いでいる血管)を焼いて、2人の胎児の胎盤を別々にする

胎児水腫のタグ

胎児水腫に関わるからだの部位