じこめんえきせいかんえん
自己免疫性肝炎
免疫の異常が原因で体内で作られた自己抗体(自分の体を攻撃する物質)によって、ゆっくりと肝臓の働きが障害されていく病気
6人の医師がチェック 99回の改訂 最終更新: 2017.12.06

自己免疫性肝炎の基礎知識

POINT 自己免疫性肝炎とは

自己免疫性肝炎は、免疫の異常が原因で体内で作られた自己抗体(自分の身体を攻撃する物質)によって肝臓の働きが悪くなる病気です。SLE・関節リウマチ・橋本病・シェーグレン症候群などの自己免疫疾患を合併することがあります。進行するまで症状を自覚することはあまりありませんが、進行した場合は疲労感・黄疸(皮膚や目の黄ばみ)・食欲不振・関節痛などが起こります。 症状や身体診察に加えて、血液検査や肝生検を行って診断します。治療には自己免疫力を抑える必要があるため、ステロイド薬などを用います。自己免疫性肝炎が心配な人や治療したい人は、消化器内科を受診して下さい。

自己免疫性肝炎について

  • 免疫の異常が原因で体内で作られた自己抗体(自分の体を攻撃する物質)によって、ゆっくりと肝臓の働きが障害されていく病気
    • 自己免疫疾患の一種
    • 抗核抗体や抗平滑筋抗体が陽性になりやすい
  • ウイルス感染後や薬の服用後、妊娠・出産後に発症することもあり、これらが病気の発症の引き金になっている可能性もある
  • 他の自己免疫疾患を合併することがある
  • 日本では現在約1000人の患者が確認されている
    • 推定で約1万人程度の患者がいるとも言われている
    • 女性に多い病気(男女比は1:6)
    • 50歳-60歳代の中年女性に発症しやすい
    • 他人に感染することはなく、子孫にも直接遺伝しない
  • 日本では厚生労働省の指定する難病の1つであり、申請して認定されれば医療費の助成を受けることができる
  • 慢性肝炎の患者さんのうち、自己免疫性肝炎の割合は1.8%とされている

自己免疫性肝炎の症状

  • 通常は自覚症状がなく、健診などで偶然発見されることが多い
  • 出現しうる症状
    • 疲労感
    • 黄疸(皮膚の黄ばみ)
    • 食欲不振
    • 関節痛
  • 病気が進行して肝硬変になった場合に出る症状
    • 脚のむくみ
    • お腹の張り(腹水による)
    • 吐血食道静脈瘤からの出血)

自己免疫性肝炎の検査・診断

  • 肝炎ウイルス・アルコール・薬物・脂肪肝・他の自己免疫疾患による肝臓障害でないことを調べる
    • 問診、身体検査:飲酒歴などを聴取
    • 血液検査:肝臓機能の低下していないか調べる
    • 生検:肝臓の機能を調べる
      ・肝臓のごく一部を切り取って顕微鏡で観察し、診断をつけることもある

自己免疫性肝炎の治療法

  • 現時点では原因を取り除いて完全に治すことはできない
  • 肝障害の進行を止める治療(ステロイド薬の内服)が中心となる
    • ステロイド薬を自己判断で中止すると自己免疫性肝炎の再燃(一度治まった症状が再び出現する)につながるため、きちんと服用することが大切
    • 治療が奏功すれば症状は速やかに良くなり、病気の進行を止めることができる
  • 妊娠・出産は可能であるが、主治医との相談が必要
    • 治療薬が胎児に及ぼす影響をしっかりと検討する
    • 妊娠中は比較的症状が落ち着くことが多いものの、産後に悪化する例もあるため、経過に注意する
    • 悪化した場合は専門の医療機関を受診する


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