しきゅうないたいじはついくちえん

子宮内胎児発育遅延

何らかの原因で子宮内での胎児の成長が遅れたり停止したりする状態。胎児の推定体重が同時期の平均的な胎児の体重と比べて軽い状態

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5人の医師がチェック 90回の改訂 最終更新: 2017.06.15

子宮内胎児発育遅延の基礎知識

子宮内胎児発育遅延について

  • 妊娠中の胎児の推定体重が同時期の平均と比べて軽い状態
  • 主な原因
    • 母体側の原因
      妊娠高血圧症候群高血圧症
      ・心臓や腎臓の病気
      自己免疫疾患本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう病気の総称
      糖尿病
      ・喫煙
      臍帯へその緒のこと。胎児と胎盤をつなぎ、栄養、酸素、老廃物などの交換を行っていると卵膜が癒着皮膚や体内の組織同士が炎症のためにくっついてしまうことする
    • 胎児側の原因
      ・奇形
      感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称
      ・遺伝性の病気
  • 全妊娠の5%程度に見られる
  • 胎児の発育タイプは大きく3つに分けられる
    • 均衡型:頭も体も小さい発育不全型。妊娠初期から起きることが多い
      ・胎児自体の障害によるもの
      ・発育遅延児の20-30%を占める
      ・遺伝子あるいは染色体遺伝情報の伝達を担う、DNAが集合してできた物質。ヒトは22対の常染色体と1対の性染色体をもつ異常や胎内感染などが主な原因
      ・その後の経過は不良
    • 不均衡型:頭は大きくなっているが、体が大きくなれない状態。栄養失調調節がうまく出来なくなること。ある機能が正常に働かなくなること型。妊娠中期から起きることが多い
      ・栄養不足によるもの
      ・発育遅延児の70%を占める
      ・比較的その後の経過は良い
    • 混合型
      ・上記のタイプの中間型
      ・発育遅延児の5%を占める
      妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、母体の栄養失調、薬物、喫煙、アルコールなどが影響していると考えられる
      ・発育遅延の程度によりその予後病気の長期的な経過や、回復の見込みは異なる

子宮内胎児発育遅延の症状

  • 母体側の自覚症状はない
  • 胎児側の症状の出方は主に2種類
    • 体重、身長、頭囲がすべて妊娠週数のわりに小さい(先天的な異常が主な原因)
    • 身長や頭囲は基準内だが体重のみ小さい(栄養不足が原因)

子宮内胎児発育遅延の検査・診断

  • 発育の遅れを確認するための検査
    • 腹部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、腹部の状態を調べる検査:胎児の身体の部位ごとの大きさから、体重を推定する
  • 原因を探るための主な検査
    • 腹部超音波検査
    • 血液検査
    • 血清学的検査
    • 染色体遺伝情報の伝達を担う、DNAが集合してできた物質。ヒトは22対の常染色体と1対の性染色体をもつ検査
    • 胎児奇形が疑われる場合はMRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査撮影を行うこともある
      など
  • 分娩時期を決定するための検査
    • 胎児の心拍数などの反応を通じて元気さを確認する検査(ノンストレステストお腹の中の赤ちゃん(胎児)が元気かどうかを調べる検査。妊婦さんの腹部に巻いたベルトを用いて胎児の動きなどを調べるNSTお腹の中の赤ちゃん(胎児)が元気かどうかを調べる検査。妊婦さんの腹部に巻いたベルトを用いて胎児の動きなどを調べる) 、コントラクションストレステスト(CST)など)
    • 腹部超音波検査
    • 超音波ドップラー:胎児の心拍動を調べる
      など

子宮内胎児発育遅延の治療法

  • 胎児の発育度や健康状態の経過を見守りつつ、安静にして管理する
  • 原因を除去する
    • 原因と考えられる薬剤を中止する
    • 禁煙する
  • 栄養不良が原因の場合
    • 食事療法や栄養点滴
      ビタミン生物が生きていく上で必要な栄養素の一種。炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物のことや必須脂肪酸を多く摂取することで栄養周りをよくする
  • 発育停止や子宮内環境の悪化が考えられる場合
    • 肺の成熟度を調べたうえで、早めの胎児娩出を検討する

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