ひだいがたしんきんしょう
肥大型心筋症
心臓の筋肉の肥大が起こる病気。右心室と左心室の間にある壁が非対称性に厚くなる
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最終更新: 2017.12.06
肥大型心筋症の基礎知識
POINT 肥大型心筋症とは
肥大型心筋症は心臓の筋肉が必要以上に厚くなる病気です。筋肉が厚くなることで心臓の動きが悪くなったり血液の出口が狭くなったりします。主な症状は動悸・胸痛・呼吸困難・立ちくらみ・失神などです。 症状や身体診察に加えて、心電図検査や心臓エコー検査などを用いて診断します。治療には薬を用いたりペースメーカーを用いたりしますが、禁煙・減量などの生活習慣を改善することも重要です。肥大型心筋症が心配な人や治療したい人は、循環器内科を受診して下さい。
肥大型心筋症について
- 心臓の筋肉の肥大が起こる病気
- 右心室と左心室の間にある壁が非対称性に厚くなる
- 半数ほどに家族性の遺伝(常染色体優性遺伝)が見られる
- それ以外は原因不明
- 病気の初期には症状が出ないことも多い
- 心筋の肥大(左心室が多い)が進むと、左心室がうまく広がらなくなったり血液の流れ出る道が狭くなったりする
- 心臓が十分な血液を全身に送り出せなくなることがある
- 心筋の肥大(左心室が多い)が進むと、左心室がうまく広がらなくなったり血液の流れ出る道が狭くなったりする
- 肥大する筋肉の場所によって、閉塞性肥大型心筋症と非閉塞性肥大型心筋症に分けられる
- 血液の流れ出る部分が狭くなっている場合(閉塞性肥大型心筋症)には、初期から失神などの症状を起こすことがある
肥大型心筋症の症状
肥大型心筋症の検査・診断
- 心電図検査
- 心臓を動かしている電気信号に異常がないかを調べる
- 心臓超音波検査
- 心臓の動きや弁の機能を調べる
- 冠動脈造影検査
- 心臓カテーテルを使って、心臓の動きや形を調べる
- 生検
- 必要に応じて心筋を採取して組織を調べる場合もある
肥大型心筋症の治療法
- 治療の目標は、症状を抑えてあり、不整脈(突然死)の予防
- 薬物療法
- 自覚症状がない場合は、投薬せず経過観察することもある
- 自覚症状がある場合は、過剰な心臓の収縮力を低下させる治療薬を飲む
- β遮断薬など
- 非薬物療法(薬物治療が十分でない場合)
- 埋め込み型除細動器(ペースメーカー)
- 心筋を焼く治療(カテーテル治療)
- 外科的に厚くなった心筋を切除する
- 予防、再発予防方法
- 過度な運動を避ける
- 禁酒
- 感染予防(感染性心内膜炎を引き起こしやすいため)
- 抜歯など感染しやすい処置を行う際には、予防的抗菌薬の投与を検討する
- 長期的な経過
- 死因として、若年者では運動中の突然死が多い
- 壮年から高齢者では心不全や、心臓内に生じた血のかたまりによる塞栓症が死因になることが多い
- 閉塞性肥大型心筋症の場合、降圧薬などで症状が逆に悪化することがあるので専門医に相談する
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