破傷風は、破傷風菌(Clostridium tetani)が産生する毒素の一つである神経毒素が痙攣をひき起こす感染症です。
破傷風菌は土壌中に広く常在し、 何らかの原因で生じた人間の傷口から体内に侵入します。侵入した破傷風菌は感染部位で増殖して破傷風毒素を産生します。破傷風の特徴的な症状である強直性痙攣は破傷風毒素が主な原因であり、潜伏期間(3-21日)の後に局所の症状(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まります。その後、全身症状(呼吸困難や後弓反張など)に移行し、重篤な患者では呼吸筋の麻痺により窒息死することがあります。