とくはつせいふしゅ
特発性浮腫
むくみがあるにも関わらず、様々な検査を行ってもその原因が特定できない病態
7人の医師がチェック 89回の改訂 最終更新: 2017.10.13

特発性浮腫の基礎知識

特発性浮腫について

  • むくみがあるにも関わらず、さまざまな検査を行ってもその原因が特定できない病態
  • 食事制限によるダイエットや、利尿薬や下剤の乱用などによることもある
  • 20-50歳代の女性に多い

特発性浮腫の症状

  • 脚や顔、手、全身の慢性的で長期的なむくみ
    • 体重が朝から夜にかけて数kgの増減を繰り返すこともある
    • 立ち仕事などで、立っている時間が長いと悪化しやすい
  • その他には
    • 頭痛
    • だるさ
    • 疲労感や不安感といった精神症状
      などの症状を合併しやすい

特発性浮腫の検査・診断

  • 特発性とは、「検査をしても原因が分からない」という意味
    • 従って、特発性浮腫と診断する前には、一般的な浮腫の検査を行う必要がある
  • 心臓、腎臓、肝臓の疾患や、内分泌疾患などがないかを確かめるための診察や検査を行う
    • レントゲン検査、心電図、血液検査などは基本的な検査として行う
    • 症状や診察結果から疑わしい病気があれば、それぞれに応じた検査(CT検査やエコーなど)を行う
    • 月経前にむくみやすくなる月経前浮腫とは区別する
  • 水負荷試験
    • 12時間前から絶食した状態で、早朝空腹時の排尿後に検査する
    • 30分以内に体重1kgに対して20mlの水を飲んでから4時間後までの尿量を測定する
    • 正常であれば、飲水量の70%以上が尿となるが、特発性浮腫の場合は尿の量が少ないのが特徴

特発性浮腫の治療法

  • 食生活や日々の生活の改善、原因と疑われる薬剤の使用を減らすことなどが治療の基本となる
    • なるべく塩分を控える
    • 適量の水分や適正なバランスの食事をとる
    • 長時間同じ姿勢をとることを避ける
    • 弾性ストッキングを着用する
  • 状態によっては薬剤を使用する場合もある
    • 利尿薬(スピロノラクトンなど)
    • トラネキサム酸
    • ヒスタミン
    • ドパミン作動薬(ブロモクリプチンなど)
  • 特に重い疾患ではなく、自然に症状が軽くなっていく場合が多い

特発性浮腫に関連する治療薬

ループ利尿薬

  • 尿による水分排泄を増やし体の過剰な水分や塩分を排泄し、むくみなどを改善する薬
    • 腎臓の尿細管という管のヘンレループという水分吸収に関わるところで血管へ水分が吸収される
    • 本剤はヘンレループでの水分移動を阻害し体内の水の量を減らし、尿として水分を体外へ排泄する
    • 体の水の量が減るとむくみが減り、血圧が下がる
  • 薬剤によっては高血圧症などへ使用する場合もある
ループ利尿薬についてもっと詳しく

カリウム保持性利尿薬

  • 尿として体内の過剰な水分などを排出し、むくみや血圧などを改善する薬
    • 腎臓における尿細管という場所では尿から血管へ水分などの吸収(再吸収)が行われる
    • 本剤は尿から血管への水分吸収などを阻害し、尿量を増やして体内のむくみを減らし血圧などを改善する作用をあらわす
    • 本剤は体内からカリウムイオンが排泄されるのを抑える作用もあらわす
  • 他の種類の利尿薬(ループ利尿薬 など)との併用される場合もある
    • 他の利尿薬によるカリウム排泄を抑えることで、体のつりやこむら返りなどを抑える効果も期待できる
  • 心性浮腫、腎性浮腫の他、薬剤によっては栄養失調性の浮腫などにも使用する
カリウム保持性利尿薬についてもっと詳しく

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