Beta 脊椎圧迫骨折のQ&A
脊椎圧迫骨折の原因、メカニズムについて教えて下さい。
脊椎とは、背骨のことを指し、椎骨と呼ばれる骨が積み重なってできています。脊椎圧迫骨折とは、椎骨が押し潰れるように骨折するけがです。骨粗鬆症によって骨が脆くなっているところに、尻もちなどをついて骨折する場合が多いです。また、骨腫瘍による骨折や、強い外力によって生じる場合もあります。
脊椎圧迫骨折が発症しやすくなる、または脊椎圧迫骨折の人が他に注意すべき病気はありますか?
骨粗鬆症の患者さんは、脊椎圧迫骨折を発症しやすくなります。後ろに転んで尻もちをつくなど、比較的軽い衝撃でも骨折をする場合があります。
転移性骨腫瘍(他の部位の癌が骨に転移したもの)などで骨折する場合もあるので、注意が必要です。転移により骨折する場合には、体を動かした場合以外に、安静時にも痛むのが特徴です。
脊椎圧迫骨折は、どんな症状で発症するのですか?
一般的には、尻もちをついた後などに、骨折した部位に痛みが出ます。特に、寝ている状態から起き上がったり、体をひねったりすると痛みが出やすいです。骨粗鬆症により、骨が脆くなっている場合には、重いものを持った時や、畑作業や草むしりを長時間行っていた時に発症することもあります。
脊椎圧迫骨折が重症化すると、どのような症状が起こりますか?
高い所から落ちるなど、強い外力によって骨折した場合には、脊髄損傷となり、足に麻痺が出たり感覚が鈍くなったりします。転移性骨腫瘍による骨折では、安静時にも痛みが出る場合があります。
脊椎圧迫骨折は、どのように診断するのですか?
レントゲン検査により診断が確定します。レントゲンでは骨折がわかりづらかったり、骨折部が粉砕している場合はCT検査を行い、脊髄損傷の有無や骨折が新しいものなのか確認するためにMRI検査を行うこともあります。
脊椎圧迫骨折の治療法について教えて下さい。
骨粗鬆症による軽症の骨折では、コルセットで固定し、骨が変形しないようにします。おじぎや体をひねる動作は控えます。痛みがひどい場合には、痛み止めなどを服用します。痛みは骨折部が治るまで続くことが多いので、寝たきりにならないよう、徐々に体を動かし、筋肉を鍛えることが重要です。医師や理学療法士の指導のもと、リハビリをすすめていきましょう。重症の場合や、脊髄損傷を伴うような場合には手術を行います。
脊椎圧迫骨折の、その他の検査について教えて下さい。
骨粗鬆症が疑われる場合には、骨密度を測定します。転移性骨腫瘍が疑われる場合には、MRI検査や、骨シンチグラフィー(腫瘍が骨に転移しているか調べる検査)を行います。
脊椎圧迫骨折では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?
骨折により、日常生活を送ることが難しくなれば、入院する場合があります。安静にした後、リハビリを行い、背中の筋肉をつけたり、再び転ばないようにバランスの練習をしたりします。1か月ほどで骨折部は治りますが、患者さんによって治る期間は違いますので、医師と相談し、通院期間を決めましょう。
脊椎圧迫骨折に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。
骨粗鬆症である場合、尻もちをつくなど比較的軽い外力でも骨折することがあります。骨粗鬆症の治療を行うことや、転ばないように、体の筋力をつけるよう運動することが必要です。高齢になってくると、小さな段差や、カーペットなどにつまずいて、転んでしまうこともあります。つまずきやすいものは、床に置かないなど、自宅の環境を整えることも大切です。
脊椎圧迫骨折は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?
骨折部は1か月程で治癒し、痛みもなくなる場合が多いです。しかし、重度の骨折や、脊髄損傷を伴う場合には、背中や腰の痛みが続いたり、足に麻痺が残ったりする場合もあります。