起立性低血圧症の原因:脱水、自律神経障害、薬
起立性低血圧症は、立ち上がった際に心臓と脳の位置関係が変わり脳への血流が低下することで起こります。脱水、
1. 起立性低血圧症が起こるメカニズム

私たちの身体は心臓のポンプ機能を使って全身に血液を送り届けています。血液に含まれる酸素や栄養素は脳や内臓に必要なものです。血液がうまく届けられないとその機能を維持することができません。
脳の位置は立っている時には心臓より高い位置にあるのに対し、寝ている時には心臓とほぼ同じ高さになります。そのため、脳に血液を送り届けるためには、立っている時のほうが寝ている時よりも強い血流で送り届ける必要があります。実は、私たちの身体は無意識のうちに身体の姿勢を感知し、血流の強さの調整を行っています。起立性低血圧症は立ち上がった際にこの調整がうまく働かず、脳への血流が低下することで起こります。
2. 起立性低血圧症の原因
もし何かしらの原因が起立性低血圧症を引き起こしている場合には、その原因に対処することで改善する可能性があります。そのため、医療機関では何かしらの原因がないかの探索が行われます。残念ながらすべての人で、原因が特定されるわけではありませんが、起立性低血圧症の原因になりやすいものはわかっているので、それらの有無を中心に調べます。よくある起立性低血圧症の原因は以下のとおりです。
それぞれがどのようにして起立性低血圧症を引き起こすか以下で説明していきます。
3. 脱水
脱水とは身体の中が水不足になってしまっている状態です。脱水になると血液の量も少なくなり、立ち上がった際に脳へ向かう血流が低下しやすくなります。特にお年寄りに脱水による起立性低血圧症が起こりやすいです。また、夏場も脱水になりやすいため注意が必要です。原因が脱水である場合には、水分の摂取で改善します。喉の乾きがあり、立ち上がった際にふらつきなどを自覚する場合には、こまめな水分摂取をするようにしてください。
4. 自律神経障害
自律神経は全身に張り巡らされている神経の一部です。自律神経には様々な役割がありますが、その中の一つに身体の状況に応じて、適切に血流を調整する働きがあります。例えば、運動した際には心臓の鼓動が早く、強くなります。これは動いている時には身体が酸素や栄養素をより多く必要とするので、自律神経がそれを察知し、心臓の鼓動を調節しているためです。
この自律神経がダメージを受けてしまう病気があります。代表的なのが「パーキンソン病」や「糖尿病」であり、このような病気の人では自律神経による血流の調整もうまくできなくなります。そのため、姿勢を変えた際に脳にうまく血流が行き届かず、起立性低血圧症を引き起こす要因となります。一度ダメージを受けてしまった自律神経は回復するのが難しいため、残念ながら治療が難しいことが多いです。
糖尿病やパーキンソン病が見つかった場合には、それ以上悪化しないように早期に治療を行っていくことが重要であると言えます。
5. 薬
治療に必要な薬ですが、実は薬の副作用で起立性低血圧症が起こることがあります。起立性低血圧症を起こす薬としては以下のものがあります。
- 降圧薬
- 利尿薬
- 精神科の薬(抗うつ薬など)
降圧薬や利尿薬、精神科の薬が処方されるケースというのは決して珍しくなく、それゆえ薬を原因とした起立性低血圧症も比較的頻度が多いです。降圧薬や利尿薬、精神科の薬は神経に作用することで血圧調整がうまくできなくなったり、脱水を引き起こすことで起立性低血圧症の原因になります。
薬の副作用が原因で起立性低血圧症が起きている場合には、薬の中止で改善します。ただし、薬を中止するともともとの病気が悪くなることがあり、原因の薬を中止する時には代わりの薬を使うなどの対応が必要な場合があります。そのため、薬による起立性低血圧症と思われる場合にも自己判断で中止せず、担当のお医者さんに対応を相談するようにしてください。