しんぼうそどう
心房粗動
心房の中の異常電気の発生が原因で起こる不整脈。心房の中を電気がぐるぐると回る(旋回する)ことが原因で通常よりも早い刺激が心臓に伝わる
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最終更新: 2019.12.20
心房粗動の基礎知識
POINT 心房粗動とは
心臓にある心房という部位の異常な電気刺激が原因で起こる不整脈です。弁膜症や心筋梗塞などが原因となって起こることが多いです。主な症状は動悸、めまい、冷や汗などがメインですが、症状が強いときには胸痛や意識消失を生じることもあります。症状と身体所見に加えて、心電図検査や心臓エコー検査を用いて診断します。治療には薬物治療、アブレーションというカテーテル治療があります。また緊急で特に血圧が下がったり意識が遠のいたりするときは電気的除細動を積極的に行います。心房粗動が心配な人や治療したい人は、循環器内科や救急科を受診して下さい。
心房粗動について
心房粗動の症状
- 主な症状
動悸 - 全身のだるさ
- 胸の痛み
- めまい
- 冷や汗
- 脈が速すぎる場合には意識消失することもある
心房粗動の検査・診断
心房粗動の治療法
- 治療の目的
- 大きく分けて3つ
- 心房の電気の流れを正常化させてリズムを正しくすること
- 心房が脈打つのが早すぎる場合、それを適切な範囲までゆっくりにすること
血栓症 を起こさないように、血液を固まりにくくすること
- 大きく分けて3つ
- 主な治療
心房粗動に関連する治療薬
ジギタリス製剤
- 心筋の収縮力を強くし、速くなりすぎた脈を整え、心不全などの治療に使用される薬
- 心不全では心臓や血管の異常により、全身に十分な血液を送り出せていない
- 心筋は細胞内のカルシウムイオンの濃度が高まると収縮力が増大する
- 本剤は心筋細胞内のカルシウムイオン濃度を高め、心臓の拍動を強め、強心作用をあらわす
- 治療有効域が狭い薬とされる
- 薬が治療に役立つ薬物濃度の有効域が狭く、中毒域と有効域が接近している薬
- 薬が適切に効いているかなどを血液中の薬の濃度を測定して観察していく必要がある
- 体の状態の変化や併用薬などによっても副作用がおこる場合がある