きゅうせいこうまくがいけっしゅ

急性硬膜外血腫

硬膜の表面の動脈から出血して、硬膜と頭蓋骨の間に血の溜まりが生じた状態。交通事故などによる強い衝撃で起こりやすい

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12人の医師がチェック 92回の改訂 最終更新: 2017.06.15

急性硬膜外血腫の基礎知識

急性硬膜外血腫について

  • 急性硬膜外血腫とは広い意味での脳出血の一種で、「硬膜脳や脊髄を包む3層の膜(髄膜)のうち、最も外側にある厚い膜。頭蓋骨のすぐ内側にある外」という場所に急な出血が起きる病気
    • 交通事故や転落など、頭の外傷で起こることが多い
    • 頭蓋骨が骨折して、硬膜に栄養を届ける動脈(中硬膜動脈)や頭蓋骨の内側を流れる太い血管(静脈洞)が破れて急性硬膜外血腫になることが多い

急性硬膜外血腫の症状

  • 主な症状
    • 頭を強く打った後の激しい頭痛と嘔吐
    • 頭を強く打った後どんどん悪くなる
  • 出血が進むと、意識障害意識に異常が生じた状態の総称で、もうろうとした状態や、不適切な反応をする状態、一切の反応がない状態など多段階の症状が含まれるが起こる
    • 頭を打った直後のこともあれば、数時間以上たってから起こることもある
  • さらに出血が進んだ場合や、出血した位置が悪い場合は脳幹脳の深い部分にある、生命維持に不可欠な部分。脳幹には生命維持装置があるため、脳卒中などでここが損傷をうけると、死に至る場合があるが圧迫されて(脳ヘルニア頭蓋骨内の出血や脳浮腫によって脳が圧迫され、脳の一部が押しやられた状態。場所や程度によっては、脳幹が圧迫されて死に至る場合もある)、死に至ることもある

急性硬膜外血腫の検査・診断

  • 画像検査:血腫体の中にできた血のかたまりのこと。何らかの原因で体内に出血した場合に生じるの量や脳のダメージを調べる
    • 頭部CTX線(放射線)を用いて頭の中の状態を調べる検査。脳出血や水頭症の確認などに使われることが多い:骨折や血腫の有無、場所、量が分かる
    • 頭部レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査:骨折の有無が調べられる

急性硬膜外血腫の治療法

  • 治療の原則は手術
    • 血圧や脳浮腫を抑える薬を使いながら、手術をするべきか判断
    • 症状がなく、血のかたまりが少ない場合は保存的治療手術のような体に負担の強い治療を行わずに治るのを待つ、もしくは経過を観察する方法。薬による治療やリハビリなど、体を直接傷つけないような治療を含む
      ・止血剤を投与する
    • 診断時の意識障害意識に異常が生じた状態の総称で、もうろうとした状態や、不適切な反応をする状態、一切の反応がない状態など多段階の症状が含まれるが強かったり、明らかに脳へのダメージが強く、手術による回復が見込めないと判断した場合は、手術を行わない場合もある
    • 手術
      全身麻酔局所麻酔に対して、眠って意識が完全になくなってしまう麻酔のこと。寝ている間は呼吸が止まってしまうため人工呼吸器を使用する必要があるをして開頭して血のかたまりを取り除く手術(開頭血腫除去術)
      ・手術の後は一定期間頭蓋骨を戻さずに経過を見ることがある(外減圧)
       ・手術の後に脳浮腫が起こることが多いため(脳圧が高くなるのを避ける)
      ・ただし、緊急で血のかたまりを取り除く必要があると判断した場合は、救急外来で頭蓋骨に穴を開けて血のかたまりを取り除く場合もある
  • 長期的な経過
    • 脳のダメージがどのくらいかによる
    • 出血量が少ない場合や、早期に手術ができた場合などでは経過はよく、後遺症がない場合が多い
    • 出血量が多い場合、診断時にすでに脳へのダメージが強い場合は、重い後遺症が残ったり、死に至るなど経過は悪い

急性硬膜外血腫の経過と病院探しのポイント

急性硬膜外血腫かなと感じている方

急性硬膜外血腫は、脳神経外科、脳外科が専門の診療科です。急性硬膜外血腫を主に診療する専門医は、脳神経外科専門医ですが、この専門医の中でも、急性硬膜外血腫のような血管出血に関連する病気を多く見ている医師もいれば、そうではなく脳腫瘍などの病気を中心に診療している医師もいます。急性硬膜外血腫の診断そのものは、CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査があれば多くの場合は脳外科医以外でも可能です。しかし手術については、一般的には専門医、もしくはそれに準ずる経験のある医師が行うことが多いでしょう。

根本治療のためには手術が必要となるため、脳神経外科(脳外科)のある病院が適しています。もし急性硬膜外血腫があったとしても、小さなものであれば手術をせずに様子をみることがあります。急性硬膜外血腫の診断はCTで行います。国内の総合病院内科、外科、小児科、産婦人科など主要な科が揃っている病院のこと。現在、明確な定義はないであればほとんどのところにCTの設備がありますので、診断のために特別な病院を選択しなければならない、ということはありません。

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急性硬膜外血腫でお困りの方

急性硬膜外血腫の根本治療としては、頭蓋骨に穴を空けたり、頭蓋骨の一部を切り外したりして、内部に溜まった血液を洗い流す手術(穿頭、または開頭血腫除去術)を行います。溜まった血液をしっかりと取り除くことができれば大半の症状は改善します。

溜まった血液の量が少ない場合には手術を行わずに様子を見ます。この場合、自然に血液が吸収されてなくなるのを待つことになります。しかしそうでない場合には緊急で手術を行います。平日の日中であれば良いのですが、土日祝日や夜間は院内に残っているスタッフが少ないため、緊急で手術を行える病院と、そうでない病院があります。ある程度の規模の病院や、脳外科手術の手術件数が多い病院の方が、時間外の緊急手術により迅速に対応できるところが多い傾向にあります。

急性硬膜外血腫が大きなものであった場合、手術までに時間がかかってしまった場合、急性硬膜外血腫以外に脳挫傷など他の損傷も加わっていた場合などは、手足や顔面の機能に残念ながら後遺症が残ってしまうことがあります。この場合、脳の機能回復を目指してリハビリテーションが必要となります。急性期病院病気の発症直後の検査や治療に特化した病院。24時間体制で診療を受け付けているが、慢性期病院と役割を分担しており、病状が安定してきてからの診療は専門としていないから回復期病院急性期病院で治療を受けて病状が安定した後に、リハビリテーションを主体とした治療を行うための病院リハビリ病院急性期病院で治療を受けて病状が安定した後に、リハビリテーションを主体とした治療を行うための病院療養型病院病気の発症直後ではなく、病状が安定してきてからの検査や治療に特化した病院。急性期病院と役割を分担しており、発症直後の診療は専門としていない)に転院して、リハビリに専念することが多いです。

急性期病院にも一般的にリハビリの施設はついていますが、回復期病院の方がリハビリに専念しやすい環境が整っています。一緒にリハビリを行うことになるのは理学療法体の障害に対して、動かしたり、電気や熱で刺激したりすることを通じて行う治療。理学療法士はPT(Physical Therapist)と呼ばれる士、作業療法士、言語聴覚士といったスタッフですが、患者さん一人あたりのスタッフ数や、リハビリ設備(リハビリ室や器具)の充実度といったところが病院を選ぶ上で参考になります。リハビリの回数が1日1回なのか、それとも午前と午後で2回あるのか、1日に受けられるリハビリの総時間、土日はどうかといった点は、回復期の病院を選ぶ上でのポイントとなります。

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