ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管が狭くなることで、脊髄やその他の神経が押されて、腰や脚にしびれや痛みがでる病気です。
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最終更新: 2022.03.11
腰部脊柱管狭窄症の基礎知識
POINT 腰部脊柱管狭窄症とは
背骨の中には脊柱管があり、中には神経が通っています。腰の位置の脊柱管が狭くなると、神経が圧迫され、さまざまな症状が現れます。この状態を腰部脊柱管狭窄症と言います。主な症状は腰痛や、間欠性跛行(歩いていると増してくる脚の痛み)、脚のしびれ・感覚異常などです。前かがみになったり、座ったりすると痛みが軽減する特徴があります。腰部脊柱管狭窄症が疑われる人にはレントゲン検査やCT検査、MRI検査といった画像検査が行われ、詳しく調べられます。コルセットを巻いて痛み止めなどを使って様子を見ることが多いのですが、症状が改善しない人には脊柱管を広げる手術が検討されます。腰部脊柱管狭窄症が心配な人は整形外科や脊椎外科を受診してください。
腰部脊柱管狭窄症について
- 脊柱管の一部が狭くなってしまい、神経が圧迫されることで腰や脚の痛みが出る病気
- 代表的な原因
- 加齢や運動、背骨の病気などによる背骨の変形
- 背骨と背骨の間にある椎間板の変形
- 背骨と背骨をつないでいる靭帯の肥厚
- 腰の部分の脊柱管が狭くなることが多いので「腰部脊柱管狭窄症」という病名が有名
- 高齢者に多くみられる病気であり、腰痛や脚のしびれの原因となりやすい
腰部脊柱管狭窄症の症状
- 主な症状
- 腰痛
- 歩いていると増してくる脚の痛み(痛くて休み休みでしか歩けなくなる:間欠性跛行)
- 脚のしびれや感覚の異常
- 痛みは多くの場合、前かがみになったり、座ったりすると楽になる
- 腰が前に曲がると狭くなった脊柱管が広がるため
腰部脊柱管狭窄症の検査・診断
- 画像検査:脊柱管が狭くなっている度合いや脊髄の圧迫の度合いなどを調べる
- レントゲン検査やCT検査:主に、骨の変形、靭帯の骨化をみる
- MRI検査:脊髄の状態を調べる最も有効な検査
腰部脊柱管狭窄症の治療法
- まずは腰に巻くコルセット(サポーター)を装着して経過をみることが多い
- 前かがみになると脊柱管が広がりやすいので、腰に巻いた時に前傾姿勢となるようにサポートする
- 症状がよくならない場合は、背骨の一部を切り取ることで、脊柱管を広げるような手術を行う場合もある
- ただし手術による合併症(出血・術後の筋力低下・誤嚥性肺炎など)も多く、ほとんどの場合には保存的治療が選択される
- 内服薬で根本的に治療することは難しい
- 症状に合わせて痛み止めが使われる
- NSAIDs:痛み止め
- プレガバリン:神経の障害による痛みを抑える
- 血管拡張薬(鎮痛作用があるもの)
- ビタミンB12:神経の回復を促す
- 症状に合わせて痛み止めが使われる
腰部脊柱管狭窄症に関連する治療薬
プロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)
- 血行を良くすることで、血行が悪い状態でおこる手足の冷たさやしびれ、痛みなどを改善する薬
- 血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血行が悪くなり血栓ができやすくなる
- 体内でプロスタグランジンE1(PGE1)という物質は血小板凝集を抑え、血管を拡張させる作用などをもつ
- 本剤はPGE1を元につくられた製剤で体内でPGE1と同じ様な作用をあらわす
- 腰部脊柱管狭窄症に伴う下肢の疼痛やしびれなどを改善する効果もある
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