ぼうこうえん
膀胱炎
尿をためる膀胱の炎症。若い女性では毎年数%の人に起こる。原因は大腸菌が80%程度。
14人の医師がチェック 171回の改訂 最終更新: 2018.12.05

Beta 膀胱炎のQ&A

    膀胱炎の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    膀胱炎は膀胱に菌が感染し、排尿時の痛み、頻尿、残尿感などの症状を起こす病気です。時に血尿が出ることもあります。

    特に女性はかかりやすく、女性の大半が一生で一度はかかるとする研究報告もあります。菌は尿道から膀胱に侵入して感染するのですが尿道の長さが女性だと男性よりも短く、また尿道口が肛門に近いために、菌が膀胱に侵入しやすいのが原因とされています。

    膀胱炎は、どんな症状で発症するのですか?

    膀胱炎では、以下のような症状が生じます。

    • 頻尿:尿意が強くなり、トイレに行く回数が増えます。就寝中も行きたくなります
    • 残尿感:排尿直後もすっきりしない、尿が残っている感じがあります
    • 排尿時痛:排尿時に差し込むような痛みがあったり、下腹部の違和感を覚えたりします
    • 尿が濁ったり、血液が混ざったりします
    • 感染症の一種ではありますが、ほとんどの場合発熱はありません

    膀胱炎は、どのように診断するのですか?

    膀胱炎は、頻尿や排尿時痛、下腹部痛といったような症状から比較的簡単に診断を推定することができます。

    診断を確かめるためには尿検査を行います。尿検査にもいくつかの段階がありますが、最も基本的な尿定性検査(試験紙検査)では、数分間で結果が出て、以下のことが確認できます。

    • 尿中に血液が含まれているか:尿の色が正常でも、微量な血液が含まれていることがあります。血尿があると、膀胱炎である可能性が高まります
    • 尿中にどのくらいの白血球が含まれているか:白血球は、菌と戦う免疫細胞です。尿中に白血球が多いということは、尿の中に菌が多いということですから、これもまた膀胱炎である可能性が高まります
    • 尿中の亜硝酸塩の有無:一部の細菌は、膀胱内で亜硝酸塩と呼ばれる物質を生成します。これが検出されれば、膀胱炎である可能性が高まります

    膀胱炎の治療法について教えて下さい。

    膀胱炎では、抗生物質の内服を行います。一般的な細菌が原因の膀胱炎の場合、通常3-7日程度内服を続けます。

    症状が治まっても細菌がまだ膀胱内に残っていることがあるので、仮に症状が改善したとしても、抗生物質は決められた期間飲み続ける必要があります。近年では耐性菌が増えており、治療の途中で抗生物質の種類を変更する必要が出てくることがあります。

    膀胱炎と尿路感染症、腎盂腎炎の違いについて教えて下さい。

    膀胱炎と尿路感染症、腎盂腎炎はいずれも、主に菌の感染が原因となって泌尿器系の臓器に炎症が生じる病気です。尿路と言うと、腎臓、尿管、膀胱、尿道などが主な臓器ですが、このどこかに感染が生じることを広く尿路感染症と総称します。

    尿路感染症の中でも、腎臓に菌がいるものを腎盂腎炎、膀胱に菌がいるものを膀胱炎と言います。つまり、尿路感染症の中に膀胱炎と腎盂腎炎が含まれる、という関係になっています。

    膀胱炎が重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    膀胱炎は、抗生物質を使用しなくとも自然の経過で治ることがあります。しかし、重症化すると菌が膀胱から体中へ拡がって、腎盂腎炎や敗血症と呼ばれる状態につながります。

    腎盂腎炎は、腎臓に菌が感染した状態です。腎臓は血流が豊富なため、血管内に菌が侵入して全身へ広がる敗血症につながりやすい危険な状態です。

    敗血症になると、血液中から他の臓器へ菌があちこちと移動することになります。通常の内服薬の抗生物質だけでなく、入院の上で、点滴治療を受ける必要があります。

    症状が膀胱炎で留まっている間に、適切に治療することが重要です。

    膀胱炎の尿検査について、もっと詳しく教えて下さい(尿沈渣・尿培養検査)。

    膀胱炎の基本的な検査は尿検査です。しかし尿検査にも様々な種類があり、別項目で解説した尿定性検査の他にも、尿沈渣検査、尿培養検査があります。

    • 尿沈渣検査:尿の成分を濃縮させて、それを顕微鏡で観察します。尿に含まれる赤血球、白血球、細菌の量を確認して、これらが多ければ膀胱炎である可能性が高まります。
    • 尿培養検査:尿の中に含まれる菌を培養します。菌の種類が分かると、より効果が高い抗生物質を沢山の種類から適切に選ぶことができるようになります。

    以上が膀胱炎の基本的な検査です。膀胱炎に似た他の病気を除外する目的で血液検査を行うことは有り得ますが、血液検査そのもので膀胱炎の診断をすることはできません。

    膀胱炎では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?

    一般的な膀胱炎は、症状も我慢できる範囲内であり、また抗生物質の内服で治ります。悪化して腎盂腎炎にならない限り、入院が必要となることはありません。

    膀胱炎は、他人にうつる病気ですか?

    膀胱炎は確かに菌への感染が原因となる病気ですが、他人へうつる病気ではありません。特別な菌が原因となるわけではなく、通常特に珍しくはない菌が、膀胱内へ入ってしまうことが原因になる病気だからです。

    膀胱炎にならないよう、気をつけられることはありますか?

    膀胱炎になる方の大半は女性であるため、特に女性について、予防のためにできることをご説明します。

    膀胱炎は、菌が尿道口から膀胱に入ってしまうことが原因です。例えば、

    これらの点に配慮して尿道をきれいに保つと同時に、十分な水分を摂取して、尿の回数を増やすことが膀胱炎の予防に繋がることも確認されています。

    膀胱炎に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    • いつもより多めの水分を摂りましょう。尿とともに菌が膀胱から洗い出されます。出ます。1日2リットルほどを目安に摂取します。
    • 女性はトイレの後、お尻を後ろから前に拭くようにしましょう(便中にいる大腸菌などが尿道口から入らないようにするため)。
    • 性行為の後には尿道周囲に菌が付着しやすいため、早めにトイレで排尿するようにしましょう。
    • 膀胱炎の症状がある間は性行為を控えましょう。
    • 香辛料など刺激物を控えます。コショウ、唐辛子などの香辛料や、コーヒー、アルコールなどは症状を悪化させることがあります。
    • クランベリージュースは予防に役立つとする見解があります。