◆ルテインの効果
今回の調査では、2014年8月までに発表されたルテインと心臓などの病気や代謝との関係を調べた文献が対象とされました。合計71件の研究が論文データベースより見つかりました。そこから研究結果のデータが集められ統計解析が行われました。
◆冠動脈疾患、脳卒中と関連
次の結果が得られました。
メタ分析では、ルテイン摂取と血液中のルテイン濃度の最高三分位群は冠動脈疾患(プールしたリスク比: 0.88; 95% 信頼区間: 0.80, 0.98)、脳卒中(プールしたリスク比: 0.82; 95% 信頼区間: 0.72, 0.93)のリスクが最低三分位群に比べて低かった。
ルテインを多く摂取することや血液中のルテイン成分が多いことは、冠動脈疾患、脳卒中になるリスクが低い事と関連するという結果が報告されました。
今回の調査で、対象者のルテイン摂取量や血液中のルテイン成分が高い人と低い人を比べた時に、冠動脈疾患や脳卒中になるリスクに違いが見られたということは事実です。しかし、これらの病気は多くの原因が関係していて、食生活だけでなく他の要素が影響している可能性があります。ルテインだけにこだわるのではなく、全体としてバランスのいい生活の中に取り込むことで、健康的な食生活ができるかもしれません。
執筆者
The effects of lutein on cardiometabolic health across the life course: a systematic review and meta-analysis.
Am J Clin Nutr. 2016 Feb.
[PMID: 26762372]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。