2016.02.08 | コラム

ノロウイルス感染症の嘔吐物と下痢便に遭遇した時の対応方法とは?感染予防のための処理方法を解説

ノロウイルス感染症の心得

ノロウイルス感染症の嘔吐物と下痢便に遭遇した時の対応方法とは?感染予防のための処理方法を解説の写真
1. ノロウイルス感染症の症状とは?嘔吐物と下痢便はノロウイルスを撒き散らす可能性がある
2. もしノロウイルス感染者の嘔吐物や下痢便に遭遇したら?感染予防のための対応方法とは

ノロウイルス感染症は感染力が強いことが知られています。自分が感染していなくても、もし感染者が嘔吐した場面に遭遇したら、自分も感染する可能性が高くなります。どのようにたいしょすると感染を回避できるのでしょうか。

◆ノロウイルス感染症の症状とは?嘔吐物と下痢便はノロウイルスを撒き散らす可能性がある

ノロウイルス感染症は、感染性胃腸炎の一種で、ノロウイルスというウイルスに感染することで発症する病気です。症状は、嘔吐下痢、腹痛が代表的ですが、突然来る吐き気により、他の人がいる前で吐いてしまうことも少なくありません。ノロウイルスに感染した人が嘔吐すると、その嘔吐物の中にはノロウイルスがたくさん含まれています。嘔吐物から巻き上がったノロウイルスは、人へ感染する可能性が高くなります。

この時、消毒液などを使って対応することになりますが、その方法を間違えてしまうと、余計に嘔吐物や下痢便に含まれるノロウイルスを空中に巻き上げてしまうことになりかねません。適切な方法を知ることで、その危険性を回避することができます。どのように対応することが良いのでしょうか?

 

◆もしノロウイルス感染者の嘔吐物や下痢便に遭遇したら?感染予防のための対応方法とは

まず、ノロウイルスは塩素系の消毒剤を使用することが大事です。アルコール消毒は効果が低いと言われています。嘔吐物や下痢便に対してどのように対応すれば良いか、解説します。

ノロウイルスが含まれるであろう嘔吐物や下痢便を見つけたら、まずそこから人を遠ざけてください。嘔吐物や下痢便には大量のノロウイルスが含まれています。少しでもノロウイルスが体内に入ると、感染してしまいます。できれば3m以内に近づかないようにする必要があるということも言われています。

次に、マスクや手袋などで自分を守ることが大事です。嘔吐物や下痢便にペーパータオルを静かに掛け、その上から消毒剤を十分に振りかけます。塩素系消毒剤の濃度が200ppmでは5分間、1000ppmでは1分間浸すことで、ノロウイルスの多くが死滅すると言われています。(1ppm:0.0001%に希釈したもの)

消毒剤を振りかけた後、嘔吐物や下痢便をくまなく拭き取ります。この時、拭き取りでもノロウイルスが飛び散る可能性がありますので、注意してください。その後、拭き取った部分を中心に、広く消毒することが必要です。

嘔吐物や下痢便によって汚れた洋服や下着を洗うことも重要です。これらの物は、感染の原因となることがあります。そのため、他の洋服と一緒に洗うことは避けてください。洋服などは、マスクや手袋を着用の上で、バケツに入れ水洗いした後、塩素系の消毒剤につけ流ことが必要です。

 

マスクや手袋をした状態で対応に当たっていても、感染する可能性はゼロではありません。対応が終了した後も、しばらくは油断せず、手をよく洗うことをおすすめします。嘔吐物や下痢便に遭遇し、思わぬ形で感染する危険性があります。感染を拡大させないように、落ち着いて対応することが大事です。

執筆者

MEDLEY編集部

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る