2015.11.28 | ニュース

横浜で集団食中毒、ノロウイルスがいるのはカキだけではなかった!

巻貝からウイルスを検出

from Food and environmental virology

横浜で集団食中毒、ノロウイルスがいるのはカキだけではなかった!の写真

ノロウイルスはカキなどの二枚貝から人に感染することが多いと言われていますが、2011年に横浜の飲食店で集団発生した急性胃腸炎では、患者は二枚貝を食べてはいませんでした。何が原因だったのでしょうか。

◆ながらみは原因になりうるか?

横浜の例では、急性胃腸炎の症状があった71人のうち、24人で便検査によりノロウイルスが見つかりました。食べられていたものの中にダンベイキサゴ(別名ながらみ)という巻貝があったことから、この研究では、ながらみにノロウイルスや同様に食中毒を起こしやすいとされるサポウイルスが含まれているかを調べました。

ながらみは日本の広い地域の沿岸で獲れる巻貝で、茹でたり生で食べられています。この研究には、横浜の例のときに使われていたながらみの供給地である、神奈川県沿岸の地域から、5月、6月、8月、10月、12月に採集された、合計27匹のながらみが使われました。

 

◆15匹でノロウイルスを発見

遺伝子検査でウイルスを探した結果、27匹のうちノロウイルスは15匹から、サポウイルスは12匹から見つかりました。採集時期は8月を除くすべての月で、どちらかのウイルスが見つかりました。12月に採集したすべてのながらみからノロウイルスが見つかりました。

研究班は「海の巻貝は、生で食べると胃腸炎を起こすリスクがあると結論する」と述べています。

 

思わぬ食べ物が感染源になるかもしれません。

なお、ノロウイルスによる急性胃腸炎は、食中毒として起こる場合もありますが、患者の吐瀉物や便などによって人から人へ感染する場合も多いことが知られています。家族などに胃腸炎の症状が現れたときは、特に衛生にご注意ください。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Detection and Genetic Analysis of Noroviruses and Sapoviruses in Sea Snail.

Food Environ Virol. 2015 Dec

[PMID: 26100718]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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