◆ω-3多価不飽和脂肪酸と膵臓がんを発症する危険性の関連性を検証
ω-3多価不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)などの総称で、青魚やえごま、くるみなどに含まれる脂肪酸の一種です。
今回の研究では、日本で行われた調査に参加した82,024人を対象に、魚由来のω-3多価不飽和脂肪酸と膵臓がんを発症する危険性の関連性を検証しました。
◆ω-3多価不飽和脂肪酸の消費量が多いと膵臓がんを発症する危険性が30%下がる
以下の結果が得られました。
追跡の初め3年間の膵臓がん症例を除くと、膵臓がんのリスクと海産物に含まれるω-3多価不飽和脂肪酸(EPA+DPA+DHA)、DHAの消費量に負の関連性が認められた。
四分位で最も低い群と比べると、最も高い群の多変量調整ハザード比は海産物のω-3多価不飽和脂肪酸で0.70(95%信頼区間0.51-0.95、pトレンド=0.07)とDHAで0.69(95%信頼区間0.51-0.94、pトレンド=0.03)であった。
海産物に含まれるω-3多価不飽和脂肪酸、またはその中でもDHAの消費量が多い人では、膵臓がんを発症する危険性が低いという結果でした。
膵臓がんは発見されにくく、進行して見つかった場合、悪い経過をたどることが多いとされています。このような研究結果を参考にしても良いかもしれません。
執筆者
Fish, n-3 PUFA consumption, and pancreatic cancer risk in Japanese: a large, population-based, prospective cohort study.
Am J Clin Nutr. 2015 Nov 4
[PMID: 26537936]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。