2020.11.11 | コラム

同じ "バファリン"でも主成分が違う?「大人用」と「子供用」の違いに要注意〔アスピリンシリーズ①〕

市販の解熱剤の適正使用に関して

同じ "バファリン"でも主成分が違う?「大人用」と「子供用」の違いに要注意〔アスピリンシリーズ①〕の写真

「市販でも売っていて、多くの人が知っている解熱鎮痛薬の成分名は?」という質問をするとします。「アスピリン」はもしかしたら一番ではないかもしれませんが、上位の中には入ってくるのではないでしょうか?今回は"あの有名な商品"を例にして「アスピリン」のちょっと耳寄りな話をご紹介します。(なお、本記事に登場する薬剤に関して、株式会社メドレーは特定の製薬企業やその関係団体との利害関係はありません)

大人用と子供用のバファリンは何が違うのか?

「頭痛や熱にはバファリン」

たとえ飲んだことはなくとも、多くの人が一度は耳にしたことがあるのが、解熱鎮痛薬「バファリン」です。

この薬の成分の一つであるアスピリンの元になる成分が使われ始めたのは、紀元前にもさかのぼるともいわれ、私たちには昔から非常に馴染みがある薬の一つといえます。

ところ皆さんは、市販で販売されているバファリンシリーズにアスピリン以外の成分が含まれていることをご存知でしょうか?

私たちがよくイメージする"普通のバファリン"とは多くの場合「バファリンA」という商品であり、この主成分はアスピリン(正式な成分名は「アセチルサリチル酸」といいます)です。しかし子供用の「小児用バファリンCⅡ」という商品の主成分はアセトアミノフェンという薬でアスピリンではありません。アスピリンは、頭痛や熱などを和らげてくれる働きがあります。しかしアスピリンは「"原則として"15歳未満の小児には使用してはいけない」とされている薬なのです。詳しい説明は今回は割愛させて頂きますが、インフルエンザ等の発熱時にアスピリンを小児が飲むと脳などに負担がかかる危険性があるとされています。

もちろん、川崎病などの医療機関で受診して治療していく病気に対しては、小児であってもアスピリンを使う場合もあるので、絶対に子供に使えない薬ではないのですが、医師の診察がない状況下で「小児用がないから大人用の"バファリンA"を量を減らして飲ませてみよう」等ということは避けて下さい。理由について詳しくは「子どもの高熱に市販の解熱剤はちょっと待って!」でご説明します。

バファリンシリーズの商品には先ほど紹介した2つの成分以外にもイブプロフェンやカフェイン等といった成分が含まれている場合もありますので、年齢だけでなく症状などによっても使い分ける必要があります。また現在は、「バファリンA」に比べアスピリン(アセチルサリチル酸)の用量を控えめにした「バファリンライト」という商品も発売されています。色々な商品がある中で解熱鎮痛薬の購入の際に迷った場合は是非とも薬剤師にご相談下さい。

 

参考情報:本文中に登場した薬については、こちらのページに詳しい情報を掲載しています

 

*2015/06/24配信の記事を更新しました

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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