2017.12.20 | ニュース

骨が痛む「骨ページェット病」にビスホスホネート製剤は効く?

文献の調査から

from The Cochrane database of systematic reviews

骨が痛む「骨ページェット病」にビスホスホネート製剤は効く?の写真

骨ページェット病はまれな病気で、骨の変形や痛みの症状があります。治療に使われるビスホスホネート製剤は、骨の吸収を減らす作用があります。ビスホスホネート製剤の効果について、これまでの研究データが調査されました。

骨ページェット病に対するビスホスホネート製剤の効果

スペインとイギリスの研究班が、骨ページェット病(骨パジェット病)に対するビスホスホネート製剤の効果について、これまでの研究データの調査を行い、結果を『The Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告しました。

この調査は、成人の骨ページェット病の治療としてビスホスホネート製剤の効果を試した過去の研究を検索して集め、内容を吟味してまとめたものです。

骨は常に一部が吸収されるとともに新しく形成され、少しずつ入れ替わっています。骨吸収と骨形成によって骨は一定の形に保たれています。しかし骨ページェット病では骨吸収と骨形成が異常に強くなることで骨の変形などの症状が現れます。

ビスホスホネート製剤は骨の吸収を抑える作用のある薬です。骨ページェット病のほかに骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などに対してビスホスホネート製剤が使われています。

 

5人に1人で痛みがなくなる

調査の結果、関係する20件の研究が見つかりました。

ビスホスホネート製剤と偽薬を比較した研究2件のデータを解析したところ、骨の痛みがなくなった人はビスホスホネート製剤のグループでは31%いましたが、偽薬のグループでは9%でした。およそ5人に1人の割合で、ビスホスホネート製剤を使うことにより骨の痛みがなくなる計算になりました。

副作用について、ビスホスホネート製剤の一種であるゾレドロン酸(日本では骨ページェット病に対して未承認)を試した1件の研究のデータから、偽薬に比べてゾレドロン酸を使ったほうが一時的な発熱または疲労が2.57倍多いと見られました。

 

骨ページェット病にビスホスホネート製剤は有効か?

骨ページェット病に対するビスホスホネート製剤の効果の調査を紹介しました。ビスホスホネート製剤によって骨の痛みがなくなる効果が確かめられました。

日本でもリセドロン酸、エチドロン酸といったビスホスホネート製剤が骨ページェット病に対する効能・効果を認められています。効果を見積もって治療法を検討するうえで、研究から示されたデータを参考にすることができます。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Bisphosphonates for Paget's disease of bone in adults.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Dec 1.

[PMID: 29192423]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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