◆地中海食の研究を収集して要約
ここで紹介する研究は、脂肪制限なしの地中海食により病気を予防する効果についての研究を1990年から2016年4月の範囲で集め、内容を要約したものです。
地中海食は次の特徴がある食事療法です。
- 野菜や果物など植物由来の食材を多く摂る
- 調味料として塩を控え、ハーブやスパイスを重視する
- 肉を少なめに摂る
- 魚や鶏肉を積極的に摂る
◆心血管疾患、乳がん、糖尿病が少なかった
見つかった2件の研究では、地中海食によって全体としての死亡率が下がり長生きになるとは言えないという結果でした。
1件の研究から、病気の予防について次の結果が得られました。
1件の大規模な一次予防の試験で、地中海食の結果、主要な心血管イベントの発生率が低くなり(ハザード比0.71、95%信頼区間0.56-0.90)、乳がんの発生率が低くなり(ハザード比0.43、0.21-0.88)、糖尿病の発生率が低くなった(ハザード比0.70、0.54-0.92)ことが示された。
研究結果として、地中海食を食べていた人に次の変化が見られていました。
- 脳卒中・心筋梗塞などの心血管イベントが少ない
- 乳がんが少ない
- 糖尿病が少ない
食事と病気予防の関係については多くの研究があり、地中海食はよく研究されて有望な結果を出している食事療法のひとつです。バランスの良い健康的な食生活のヒントになるかもしれません。
執筆者
Effects on Health Outcomes of a Mediterranean Diet With No Restriction on Fat Intake: A Systematic Review and Meta-analysis.
Ann Intern Med. 2016 Jul 19. [Epub ahead of print]
[PMID: 27428849]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。