2016.06.19 | ニュース

胃がんの手術、腹腔鏡手術とどちらが安全?

文献13件の調査から
from The Cochrane database of systematic reviews
胃がんの手術、腹腔鏡手術とどちらが安全?の写真
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腹腔鏡手術は、開腹手術よりも小さい傷口で済む利点があり、胃がんの治療にも使われています。しかし、腹腔鏡手術を行う医師には独特の技術が必要で、安全性も課題とされます。これまでの研究で得られた手術結果のデータがまとめられました。

◆開腹手術と腹腔鏡手術の安全性は?

ここで紹介する研究は、胃がんの治療として開腹手術と腹腔鏡手術を比較し、これまでに報告されている研究結果から、安全性などについてまとめたものです。

文献データベースから関係する研究報告13件が集められ、対象者合計2,794人のデータをもとに、研究結果が統合されました。

 

◆死亡、再発ほかで差が認められない

次の結果が得られました。

治療後30日間に死亡した参加者の割合には、腹腔鏡下胃切除術(1,188人中7人、メタアナリシスに基づいて調整した割合0.6%)と開腹胃切除術(1,447人中4人、0.3%)で差がなかった(リスク比1.60、95%信頼区間0.50-5.10、リスク差0.00、95%信頼区間-0.01から0.01、参加者2,335人、11件の研究、I(2)=0%、低い質のエビデンス)。どちらのグループにも、短期再発(参加者103人、3件の研究)、輸血を必要とした割合(参加者66人、2件の研究)、組織学検査で断端陽性となった割合(参加者28人、1件の研究)に異変はなかった。

腹腔鏡手術でも開腹手術でも、治療後30日以内の死亡、短期再発の頻度などに違いが認められませんでした

 

治療結果に差がないと言えれば、傷口が小さくなることの利点が強調されます。ただし、胃がんの中でも進行度や全身の状態などによって、開腹手術が適しているか、腹腔鏡手術が適しているかは変わってきます。ひとりひとりの状態を当てはめると、どんなときにも腹腔鏡手術と開腹手術が同等とは限りません。

この結果は、特に危険を増す要素がない場合の一般的な情報として参考になります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Laparoscopic versus open gastrectomy for gastric cancer.

Cochrane Database Syst Rev. 2016 Mar 31.

[PMID: 27030300]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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