2016.05.01 | ニュース

糖尿病で目が見えにくくなる「糖尿病性網膜症」はどれぐらいの率で起こるのか?

3万人の追跡調査から
from Ophthalmology
糖尿病で目が見えにくくなる「糖尿病性網膜症」はどれぐらいの率で起こるのか?の写真
(C) Robert Kneschke - Fotolia.com

失明の代表的な原因のひとつが、糖尿病によって起こる糖尿病性網膜症です。長年血糖値が高い状態が続くことで視力低下などの症状が現れます。糖尿病がある人を追跡した研究から、糖尿病性網膜症が年間に発生する率が報告されました。

◆2型糖尿病患者のうち糖尿病性網膜症が発生する人はどれぐらい?

この研究は、ポルトガルで2型糖尿病の患者を対象に行われました。2型糖尿病は生活習慣が原因で起こるタイプの糖尿病です。対象者は2009年から2014年までの研究期間中に繰り返し網膜の検査を受け、糖尿病性網膜症が発生したかどうかを記録されました。

追跡で得られた30,641人のデータが解析されました。

 

◆最初の1年で4.60%

次の結果が得られました。

ベースラインで糖尿病性網膜症がなかった患者に何らかの糖尿病性網膜症が発生する率は、最初の1年間では4.60%(95%信頼区間3.96-4.76)であり、5年目の1年間では新たに発生する率が3.87%(95%信頼区間2.57-5.78)まで減少した。

何らかの糖尿病性網膜症、意義のある糖尿病性網膜症糖尿病性網膜症の進行速度は、糖尿病が持続していると確かめられた期間、診断時の年齢、インスリン治療の使用と関連した。

追跡開始時に糖尿病性網膜症がなかった人のうち、最初の1年で4.60%に糖尿病性網膜症が発生していました糖尿病と診断されたときの年齢が高く、診断されてからの期間が長い人のほうが糖尿病性網膜症が多く発生していました。また血糖値を維持するためにインスリン治療を必要とする段階にあった人で糖尿病性網膜症が多く発生していました。

 

年間4%近くの人に糖尿病性網膜症が発生するとすれば、10年、20年と経つうちには高い割合で発生する計算になり、実際に日本でも非常に多くの人が糖尿病性網膜症に悩んでいます。

このように高い頻度で起こる糖尿病性網膜症を防ぐことは、心筋梗塞などを防ぐことと並んで糖尿病治療の重要な目標になります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

First Incidence and Progression Study for Diabetic Retinopathy in Portugal, the RETINODIAB Study: Evaluation of the Screening Program for Lisbon Region.

Ophthalmology. 2015 Dec.

[PMID: 26383994]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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