◆コンドロイチン治療薬は有効か?
コンドロイチンは軟骨を構成する物質ですが、コンドロイチンを飲むことが治療として関節の痛みに効果があるか、見解は一致していません。飲んだものが分解されず軟骨に行き渡り、適切に利用されることがありえるかといった理論的な疑問もあります。
今回の調査は、データベースより該当する文献を集める方法で行われました。2週間以上にわたってコンドロイチン薬の効果を、偽薬、また、他の薬の効果と比べた文献が集められました。合計43件の文献からデータが集められ、統計解析されました。
◆コンドロイチンは少しだけ効く
次の結果が得られました。
6か月以内の期間で行った研究で、コンドロイチン薬で治療をした対象者は、偽薬を与えられた対象者より、統計的に有意な、そして、臨床的に意味のある改善が痛みの評価点数(100点満点)で見られた、絶対リスク差は10%低かった(95% 信頼区間, 15%から6%減少; NNT=5 (95% 信頼区間、 3から8; n=8 )(低いエビデンスレベル; 高いバイアスのリスク)[...]。
コンドロイチン薬は偽薬や他の薬と比べて、統計的に有意な件数の有害事象や、実験からの離脱を引き起こさなかった。
WOMAC MCII 痛み下位尺度のアウトカムについては、20%の膝の痛みの減少がコンドロイチン薬で治療を行った100人中53人に見られたのに対して、偽薬で治療を受けたグループでは100人中47人に見られた、絶対リスク差は6%だった(95% 信頼区間1%から11%)、(リスク比 1.12、 95% 信頼区間1.01から1.24;T(2)=0.00; I(2)=0%;)(n=2、 1,253人の対象者; 高いエビデンスレベル; 低いバイアスのリスク)。
6か月未満の治療では、コンドロイチンを使ったときに、偽薬で治療を受けるより、痛みの平均値が10%低いという結果でした。
100人がコンドロイチン薬で6か月以上治療した場合、偽薬で治療を受けるより、膝の痛みが20%減少する人が6人多いという結果でした。さらに、100点満点中の痛みの評価で、痛みの評価が8点減ったという結果も報告されました。明らかな副作用は見られませんでした。
コンドロイチン薬は変形性関節症の痛みに少し効いたという結果でした。コンドロイチン薬の治療は有害作用も少なく、多少なりとも痛みを軽減するための助けにはなるかもしれません。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。