2016.02.29 | ニュース
喘息の人には膵臓がんが少ない
2,321人のアレルギーに関する研究から
from Gut

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最近の研究から、がんには免疫系が関与している可能性が考えられています。免疫の過剰反応によって起こるアレルギー性疾患とがんにはどのような関係があるのでしょうか?膵臓がんに着目して研究が行われました。
◆膵臓がん患者を含む2,321人とアレルギーについて調査
研究チームは、膵臓がんの多くを占める膵管腺
◆喘息がある人は、膵臓がんが少ない
調査の結果、以下のことが分かりました。
喘息は、膵管腺がんの低リスクと関連があり(オッズ比:0.64、95%信頼区間:0.47-0.88)、特に17年以上の長期的な喘息で関連が見られた(オッズ比:0.39、95%信頼区間:0.24-0.65)。
つまりこの研究から、喘息があった人では膵管腺がんが少ないことが示されました。
喘息を起こす体質は、膵臓がんになりにくい体質である可能性もありますが、ほかにも喘息以外の要因が影響して膵臓がんが少なくなった可能性が否定出来ません。今回の結果を手掛かりにより詳しい検証が進むことで、がんの原因解明に近付けるかもしれません。
執筆者
参考文献
Reduced risk of pancreatic cancer associated with asthma and nasal allergies.
Gut. 2015 Dec 1.[Epub ahead of print]
[PMID: 26628509]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。