2016.02.29 | ニュース

肩が動かない…五十肩にステロイド注射は本当に効く?

74人の患者を対象に

from The American journal of sports medicine

肩が動かない…五十肩にステロイド注射は本当に効く?の写真

癒着性関節包炎(五十肩)は、痛みで肩が動かせなくなる症状があります。よく使われる治療のうち、ステロイド注射と飲み薬の鎮痛薬を比較する研究が行われました。

◆74人の患者で評価

癒着性関節包炎は、別名五十肩としても知られています。治療には肩関節鏡視下手術、リハビリテーションのほか、痛みを抑える薬としてステロイド薬の関節内注射や一般的な鎮痛薬(NSAIDs)の飲み薬などがあります。

この研究では癒着性関節包炎の患者74人を対象に、ベタメタゾン(ステロイド薬の一種)の関節内注射またはNSAIDsの飲み薬のいずれかで治療しました。対象者はどちらかで治療されるよう無作為に割り当てられ、治療を受けました。

治療開始から2週間後、4週間後、8週間後、および12週間後の痛みや肩、肘、腕、肩と手の動きを評価しました。

 

◆ステロイド注射で早期機能改善

ステロイド注射で治療された患者は、治療が始まってから8週間の間に、NSAIDsを使った患者と比較してより早期に痛みが緩和しました。また、その8週間のうちで肩の機能と運動は、ステロイド注射群のほうが早期に改善しました。

 

ステロイド薬の使用がNSADIsよりも癒着性関節包炎の痛みや機能の回復に早く効果を現すことが示唆されました。これからさらに検証が続けられ、効果的な治療法が選ばれていくことを願っています。

執筆者

宮本知明

参考文献

Corticosteroid Injections Accelerate Pain Relief and Recovery of Function Compared With Oral NSAIDs in Patients With Adhesive Capsulitis: A Randomized Controlled Trial.

Am J Sports Med. 2016 Feb.

[PMID: 26657263]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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