2016.02.14 | ニュース

重度肥満と軽度認知障害は結び付いている?

80人の治療結果から

from The Journal of clinical endocrinology and metabolism

重度肥満と軽度認知障害は結び付いている?の写真

認知症はさまざまな原因で起こります。栄養や生活習慣との関係も研究されています。軽度認知障害と重度の肥満がある人を対象に、体重を減らすことで認知機能に影響があるかが検討されました。

◆減量すると認知機能は?

この研究では、軽度認知障害と肥満の両方がある60歳以上の人が対象になりました。対象者のBMI(体重÷身長の2乗)は平均35.5でした。

対象者は、12か月の通常治療または、通常治療に加えてカロリー制限による減量の指導を受け、認知機能などに変化があるかを調べられました。

 

◆BMIが減ると認知機能が改善

治療法によらず、対象者全体でBMIが少なくなり、認知機能には改善が見られました。特にBMIが下がった人で、次のように認知機能が改善する傾向が見られました

線形一般化モデルによる解析で、教育、性別、身体運動、ベースラインの試験結果で調整したのち、BMIの減少は言語記憶、言語流暢度、遂行機能、全般的認知機能の改善と関連した[...]。

 

肥満や肥満を起こす生活によって、脳を含めて全身にさまざまな変化が起こります。軽度認知障害とも何かの関係があったのかもしれません。

ただしこの研究はBMIが平均35以上という重度の肥満の人を対象としたもので、正常体重の人にも当てはまるかは別に調べなければわかりません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Cognitive effects of intentional weight loss in elderly obese individuals with mild cognitive impairment.

J Clin Endocrinol Metab. 2015 Dec 29. [Epub ahead of print]

[PMID: 26713821]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る