子供のころの肥満と中年期の睡眠時無呼吸は関連するか?

肥満成人では、寝ている間にのどや気道がふさがって呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。では、子供時代の肥満との関係性はあるのでしょうか。
◆4パターンの子供を追跡
研究班は、子供の肥満が中年期の閉塞性睡眠時無呼吸症候群になるリスクを調査しました。
研究に参加した子供を、35年間追跡し、中年になった時に閉塞性睡眠時無呼吸症候群になるリスクを判定しました。その際、研究に参加する子供を、肥満の程度により、1.一度も太っていない子供、2.太ったりやせたりを繰り返す子供、3.ずっと肥満が続いている子供、4.調査期間中に肥満になった子供の4パターンに分けて調査しました。
◆子供の時の肥満は、中年期の睡眠時無呼吸のリスクと関連
結果は以下の通りとなりました。
過体重/肥満だったことがない参加者と比較すると、持続した過体重/肥満および新規
発症 した過体重/肥満の子供は、複数のリスク要因および成人での過体重/肥満で調整後、1.36(95%信頼区間:1.04-1.77)倍および1.47(1.11-1.96)倍、閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなった。
太っていない子供より、ずっと肥満だった子供と、新たに肥満になった子供のほうが、中年期の閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなりました。
研究班は、「小児期の過体重/肥満は中年期の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の高リスクと関連があることが示唆された」と結論付けました。
子供のころに肥満である人は、大人になっても肥満である場合も多いため、様々な生活習慣病の危険が大きくなるかもしれません。できるだけ、子供のころから正しい生活習慣を身に付けることが大切かもしれません。
執筆者
Childhood obesity patterns and relation to middle-age sleep apnoea risk: the Bogalusa Heart Study.
Pediatr Obes. 2016 Jan 19.
[PMID: 26780975]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。